
「まるでスケッチブックから飛び出してきたみたい」「CGかと思った」ーー。アメリカ・ニューヨークで、まるで“絵にしか見えない”不思議な車がニューヨークの街角に登場。"2Dのように見えるのに3Dな車"がSNSで注目を浴びている。
この“動くアート”を生み出したのは、南カリフォルニア出身のグラフィックアーティスト、ジョシュア・ヴィデスさん。彼が白黒のアクリル塗料だけで塗装したリムジンとバイクは、まるで手描きのスケッチそのもの。しかもちゃんと走るのだ。ジョシュアさんのSNSに投稿された動画を見ると、白と黒に塗りつぶされた車が街を走っている様子が捉えられ、不思議な光景が広がっている。使われているのは、1995年製のストレッチ・リムジンと、1991年製のホンダCBR 1000。どちらもモノクロに塗りつぶされ、シャドウや輪郭線まで描き込まれた“錯視アート”として、街を走るたびに人々の視線をさらっている。
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元消防士が“夢の乗り物”を描くまで
実はこのアートカーを作ったジョシュアさん、かつては消防士兼救命士という異色のキャリアの持ち主で、2010年代にアートの道へ転身し、現在では個展やブランドコラボも手がける人気アーティストになったという。今回手がけた2Dのリムジンは中古で約44万円で購入。外装も内装も真っ白に塗り直し、黒で線画を描いていく作業に総額約100万円以上を投じたという。ただ、「売れた金額は投資額の“何倍”にもなったよ」とジョシュアさんは語っている。
モチーフは『ホーム・アローン2』の“あの車”
このリムジンのモチーフは、映画『ホーム・アローン2』でケヴィン少年が乗った車。90年代カルチャーに影響を受けたジョシュアさんにとって、リスペクトとノスタルジーが詰まった一台だという。
「内装からライトまで全部描き直して、合計で144時間かかった。でも妥協せずに仕上げたかった。写真を撮ったり、車内で動画を撮れる“体験型アート”としても楽しんでほしい」と語っている。
SNSでのバズや高額売却という結果に反して、ヴィデス自身はいたって冷静。「人気とか来場者数とかじゃない。大事なのは、自分が納得できるかどうか。それだけなんだ」とコメント。商業性より“信念”を貫くその姿勢も、ファンの心をつかんでいる。
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