馬具の老舗から名店居酒屋まで、旭川〜留萌の旅で訪れたい5つのスポット

  • 写真・文:鈴木修司
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ビームスジャパンの鈴木修司です。今月の旅は北海道、なかでも内陸部の中心都市である“旭川”から日本海側の港町“留萌”まで西へ向かい、“留萌”から日本最北端の街“稚内”までを北へ移動するものでした。

年間で120日ほどを旅に費やす私ですが、さすがに日本全国を周りきるとなるとまだまだですし、広大な面積を誇る北海道にも未だ訪れていない場所が沢山あります。ですが今回の旅は、北海道の海岸線に関して言えばほぼすべて訪れたことになるという記念すべきものでした。北海道はざっくりいえば菱形をしていますが、その左斜め上の大部分を占める“留萌”から“稚内”までが、これまで私にとっての空白地帯でした。

1. 旭川から、老舗馬具メーカー「ソメスサドル」へ

旭川駅.jpg

話を旅に戻しますが、旅前半の拠点となる旭川までは東京から空路で移動、その後の道内移動はレンタカーとなります。7〜8年ぶりの旭川ですが、駅周辺が整備され、相変わらず美しい街です。そんな中にも、北国らしい昔ながらの名店が多くあるので、この後に詳しく触れさせて頂きます。

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まず旭川から車で1時間ほどの“砂川”へ。ここに来た目的は、日本屈指の馬具メーカーである“ソメスサドル”さんを久々に訪問するためでした。馬関係の方ならば知らない人はいない会社ですが、専門的な馬具以外に、その技術を活かした日常のアイテムもつくられています。

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バッグやベルト、インテリア関係のもの、多岐にわたって魅力的なものが色々とあります。東京や大阪にも直営店を構えていますが、こちら砂川の本社を兼ねたファクトリー、併設されたショップには訪問する価値がさらにあります。ちょうど雪も綺麗になくなった頃で、これから馬が戻ってくるとのことでしたが、放牧用の庭を取り囲むような施設が素晴らしく、ずっと過ごしていたいくらい気持ちの良い場所です。

2.太田和彦さんお墨付き、旭川の居酒屋「独酌三四郎」

三四郎1.jpg

来年以降の大切な企画の相談を終えて、また旭川に戻ります。戻った頃にはすっかり日が暮れていましたが、まだ大切な用務というか楽しみが残っています。私が敬愛する居酒屋探訪家の“太田和彦”さんの名著である“居酒屋百名山”や“日本居酒屋遺産”にも取り上げられた名店“独酌三四郎”を一人で訪れました。

三四郎2.jpg

ここも7〜8年ぶりでしたが、時間が止まったかのような、あの頃と何も変わらない素晴らしい時間を過ごさせて頂きました。名物“新子やき”(この地方では定番の鶏のタレ焼き)などに舌鼓を打ちつつ、とても珍しい“焼燗(やきかん)”と呼ばれる、炭火に直接かけて燗された辛口酒が相まって、心も身体も癒されます。

3.ショップも充実した、「旭川デザインセンター」

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一人飲みの良さは長居しない、飲み過ぎないですが、その甲斐あって翌日は朝早くから、動き出しもスムーズです。この日は日本海までとなるので、それなりの移動距離です。まず午前中に伺ったのが“旭川デザインセンター”で、こちらは日本随一の家具生産地である旭川周辺の仕事を一堂に見たり体感できたりの貴重な場所です。最近またリニューアルされ、ショップがかなりの充実で、お買い物目当てでも訪れる価値が大いにあります。旭川駅からバスなどの利便性も良いので、ぜひ行ってみてください(欲しいものが沢山です)。

4.長旅に備え、「蜂屋」のラーメンで腹拵え

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午後の長旅に備えて、名残惜しくも旭川で早めの腹拵えです。だいぶ前に旭川でお世話になった恩人に連れられた名店“蜂屋”さんですが、こちらも北国らしい心に沁みる味わいの独特なラーメンです。いろんな想い出を後にして、初めての街である留萌を目指し、一路西へと車を走らせます。

5.郷愁を誘う、「留萌駅」周辺を散策

留萌駅跡1.jpg

季節的に日が長くなってきたので、なんとか夕暮れまでに留萌に到着しました。翌朝には稚内に向けて北上しないとで、限られた時間の中で街の散策です。まずは中心であろう駅前に向かいまいたが、一昨年に廃駅となった“留萌駅”の周辺は少し寂しい感じでした(夕方ということもあり…)。北海道に限った話ではないのですが、日本各地で廃線や廃駅の波には抗えません。しかしそれに代わる素晴らしい活用やアイデアが生まれている地域もあるので、寂しく感じつつも前向きに駅跡を眺めたのでした。

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日没までに見られる場所は出来る限りと、港や道の駅なども見て周りましたが、街の外れの高台からはまだ雪が残る“暑寒別岳”も遠くに望むことが出来ました。

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もちろん日暮れ後には繁華街の散策という大切な用務もあり、地元の人気居酒屋でまたひとり酒を楽しむ事ができました。旅後半は日本最北端の稚内までの旅路となりますが、長くなってしまったので、続きの話はまたの機会とさせてください。

 とても季節の良い北海道だったので、早くもまた行きたくなっています。

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター鈴木修司が日本の魅力を紹介! 

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鈴木修司

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター

1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。

鈴木修司

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1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。