神社の境内でいただく京都のスペシャルティコーヒー、味もロケーションも最高です!「Coffee Base NASHINOKI」

  • 写真・文:一史
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日々を過ごす東京でコーヒーショップに行くのは、豆を購入するため。
滞在時間はわずかです。
対する京都(京都市)でコーヒーショップに行くのは、ゆっくりとくつろぐため。
滞在時間は長めです。

京都旅でいつも狙うのは、古民家や町家など日本家屋を活用したカフェ。
古都の街の空気が室内に流れ込むのが京都カフェの素晴らしさだと思っています。
東京だとどれほど店の作り込みが素晴らしくても、高層ビルや街の喧騒から逃れられなくて。
心のやり場に困ってしまうのです。

5月上旬の京都への短い旅で、このカフェにようやく足を運ぶことができました。
雨降りの平日というタイミングもあり、客は二組の西洋人カップルとわたしだけの贅沢空間。
ハンドドリップで淹れてもらったスペシャルティコーヒーがめちゃめちゃ好みで、思わず豆を購入してしまったほど。
(荷物重いのがイヤで、旅先で土産も記念品も一切買わない人間なのに)
ところが帰り際にスタッフさんの口から衝撃の事実が!
このブログ記事の後半にてお話しします。

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店の名は、「Coffee Base NASHINOKI」。
なしのき、とは「梨木神社」のこと。
境内の建物に入居しているカフェです。

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京都市の中心部でもっとも緑地面積が大きいであろう「京都御苑」の周囲にあります。
上写真の歩道の左側が京都御苑。
右が梨木神社エリアです。

電車で行くならどの駅からも15分〜20分ほどで、アクセスがいいとは言いがたい場所。
さらに周囲にわかりやすい観光地もありません(京都御苑は散歩に最適ですが)。
旅先でガシガシ歩き回るわたしでもこれまでこのカフェに行かなかったのは、“ついで寄り”ができなかったから。
でも今回訪れて大正解でした。

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扱う豆はシングルオリジンのスペシャルティコーヒー。
全国でコーヒー豆消費量1位の京都市は、味が濃い深煎りの伝統がありますから、京都らしさを堪能したいなら深煎りを選ぶのがいいのでしょう。
ただわたしは普段愛飲している浅煎りの酸味系をここでも注文することにしました。

豆リストには有名な「エチオピア イルガチェフェ」があり、「無難なのはこれかなぁ。シトラス系の酸味が好きなんですよ」とスタッフさんに伝えたところ、「ならこれがオススメです!」とアドバイスされた種類が「東ティモール レテフォホ ゴウララ村」。
もうぜんぜん聞いたことない名前でした。

するとすかさず「豆嗅いでみます?」と差し出され「これ絶対美味いやつ!」と納得してオーダー。
っても、オススメされた時点でオーダー決めてたんですけども。
飲んだことないもの、食べたことないものほどワクワクするフード体験はありませんから。

さらにスタッフさんの説明の温度がすごくよかったことも、素直に言うことを聞く気になった理由のひとつ。
コーヒー豆に尊厳を持ち接していることが伝わってきてめちゃ好印象でした。

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縁側やベンチなど自由に席を選べます。
スタッフさんより「奥の離れも使えますよ」と教えられ、中に上がり込みました。
(セルフサービスで自分で運ぶ)

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いいですよねー!
「京都にいるぞ」って実感湧いてきます。

この神社は庶民的というか、神社目的の観光客は多くなさそうです。
地域密着型という印象。
豪華な造りでないことは訪れる前に知っておいてもいいかもしれません。
静かなエリアですし、境内で騒ぐのは厳禁でしょう。
二組の海外客たちも、言葉少なく穏やかに雨で濡れた木々の緑を楽しんでいました。

この場所にコーヒーカフェを設けた理由は、「京都三名水 染井」が境内の井戸で汲めるからだそう。
コーヒーに合う軟水の最高峰の水で淹れてもらえるカフェなのです。

スーパーで売ってる低価格のコーヒー豆だって、水で味がかなり変わりますよね。
わたしは「南アルプスの天然水」でふだん飲んでます。
身近な水のなかでこれがベストなのかはよくわからず。

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東京に連れて帰った豆200gパッケージです。
フルーティな酸味に満ちて、とても上質。
好きな人はとても好き、でも苦手な人はとても苦手かもしれません w
甘く濃いコーヒーがお好きな人は一旦冷静になってもよさそう。

このクオリティで100gが約1,000円なのはお買い得です!
カフェで飲んだとき思わず「これさえあれば高価なゲイシャ種いらないや」と話してしまったほど。
オンラインでも購入できることをスタッフさんに教えていただき、リピート買いできると安堵した次の瞬間に衝撃の一言が。
「この店、目黒にもあるんですけどね」

まじか!
東京で買いに行けるのか!
目黒ってプチ行かない街だけども!

あとで調べたら「Coffee Base」は京都市内に何軒か展開していました。
ただここ神社境内の「NASHINOKI」以外は東京の「MEGURO」も含め、すべてモダンなお洒落コーヒーカフェやコーヒースタンド。
特別な水も「NASHINOKI」だけで使われています。
同じ京都焙煎のオリジナル豆でも、味も店の雰囲気もだいぶ異なるということですね。

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「Coffee Base NASHINOKI」の住所は、
上京区染殿町680 梨木神社境内。
営業時間や休業日などは申し訳ありませんが、ご自身でお調べくださいませ。

というのも各店舗を束ねているCoffee Baseの会社サイトをネットで見つけられず。
「Coffee Base KANONDO(観音堂)」の公式サイトがありこれがCoffee Baseの総合のようなのですが、ニュース欄が2022年より更新なし。
他店舗情報も見当たりません。
メニューの掲載ドリンク料金は、わたしが「NASHINOKI」で注文した価格と異なります。

なお「NASHINOKI」のインスタグラムも発見したものの、22年から更新なし。
東京の「MEGURO」の最新投稿は数ヶ月前でした。

さすがにこの発信の不安定さはマズくない!?と思わなくもないですが。
(わたしはグーグル地図の情報頼りで行って来ました)
「KANONDO」のインスタグラムは頻繁に更新されているようで、たぶん客がやるべきはここをチェックすることなのでしょう。
皆さんも検索スキルを駆使していただき、無駄足を踏まないようお気をつけて行きましょう!

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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