スイス発のプレミアムテックシューズブランド「GNL(ジーエヌエル)」が今春、日本市場に参入。日本公式オンラインストアでの販売もスタートし、日本の足元に新たな選択肢が加わることとなった。まだ知る人ぞ知る存在のこのブランドだが、その背景には独自の哲学と革新的な技術が息づいている。欧州で静かに評価を高めつつある「GNL」の魅力を、ここで紐解いていこう。

GNLの物語は、某有名ランニングブランドを生み出す原点となった革新的なソール開発を手掛けた技術者ユルク・ブラウンシュワイラーとその息子エリックの手によって紡がれている。スポーツ愛好家で、かつてスイス特殊部隊に所属していたユルクは、日常の何気ない発見からインスピレーションを得た。それはビーチ近くの遊歩道を歩いていた際、アスファルト上に薄く積もった砂が、驚くほど心地よいクッションの役割を果たしていることに気づいたことだ。
この偶然の発見から開発された特許技術「360° Walk Technology」は、独自の進化を遂げている。国際特許を取得したアウトソールにはエアチャンバー構造を採用し、水平・垂直方向の衝撃を360°全方向からナチュラルに吸収。大地と一体化したような安定感と、スムーズかつ力強い歩行感覚を生み出すことに成功した。履くほどに体感が深まる、いわば「歩く喜びを再発見させる」テクノロジーといえよう。
GNLの魅力は革新的な技術だけにとどまらない。スイスのエンジニアリングとイタリアンデザインの融合により、機能美とファッション性を兼ね備えたスタイリッシュなフォルムを実現。都市空間やオフィス環境など、あらゆる日常シーンにマッチする洗練された佇まいで、実用性と美しさを両立させている。その高いサポート力は、現在スイス空港の接客系職員の制服シューズとして採用されるほどの信頼を獲得した。
「Get New Life 驚きと発見を」というブランド理念が示すように、GNLは単なる靴の提案にとどまらない。時間に追われる現代人の日常に、「自分だけの静けさ」という贅沢を足元から提供し、忙しい毎日に彩りをもたらす——そんな哲学が根底に流れている。この砂から着想を得た一足が、日本人の歩き方にどのような変化をもたらすのか。その新たな足跡に、これからの注目が集まりそうだ。


