
美容院でやってくれるシャンプーの時間が好きという人は多いだろう。日本ではシャンプーのうまさを売りにする美容院も多いが、中国の一部ではAIシャンプーマシンが美容院の最新トレンドとなっているという。一体どんな機械なのか? 香港メディアのサウスチャイナモーニングポストが取り上げた。
自動で頭を洗ってくれる! しかし…
話題のAIシャンプーマシンは、従来のシャンプー台を大きくして、プラスチックのフードをつけたような形状をしている。利用者は椅子に横たわり、マシンに頭を乗せ、係員にフードをセットしてもらう。フードは髪の生え際までを覆うように設計されており、セットすると顔や首の後ろに水はかからないようになっている。
セットができたらスイッチを入れる。すると頭部を覆うヘルメットのような部分から水流が噴射され、あらゆる角度から洗髪してくれる。水圧や温度などの調整ももちろん可能だ。動画を見ると洗髪中、赤い光が髪の毛を照らしているのだが、これは低出力の赤色光波長を用いた頭皮ケア機能の一部だという。髪質や肌質を検知し、AIがそれぞれに合ったコースやシャンプーを選んでくれるのだそうだ。
また、一見便利に見えるシャンプーマシンだが、非常に大きな欠点が一つ。現行機には濡れた髪の毛を乾かす機能がないのだ。動画には「一番面倒くさい部分が自動化されていない」とのコメントもつけられていた。なお、開発中の第二世代では乾燥機能を取り入れる予定とのことだ。
基本コースは16分で、料金は20元(約400円)程度。安価なこともあり、現在このマシンは広東省などでトレンドと言っていいほど非常に人気があるという。ただ、実際にサービスを受けた人からは、「頭皮マッサージの強さが足りず、人にやってもらった方がいい」などの厳しい意見が出ているようだ。
一番の目的はコストカット
しかしながら、マシンを導入する主な目的は、人手不足の解消とコストカットにある。中国ではヘアケアへの需要は高まっているものの、人手不足もあり、一部のヘアサロンではサービスを休止するような状況なのだという。広東省・福建省・湖南省でこのシャンプーマシンを使ったサロン40店舗を展開している企業は、シャンプーマシンによる低コストなヘアケアサービスの潜在的なニーズは高いとみて、香港やカナダへの進出を目指している。
香港では髪の毛も乾かす第二世代のマシンを使い、99香港ドル(約1860円)で基本的なヘアケアサービスを提供する予定だという。開発企業によると、日本と韓国からもマシンへの問い合わせがあったそうだ。近く日本でも、AIシャンプーマシンを導入した美容室が現れるかもしれない。ただ、日本のシャンプーサービスは質が高い。人気が出るかはマシンの性能向上次第だろう。
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@thomas.larson55 Smart hair washing machines appear in Shenzhen, China to wash customers' hair
♬ original sound - Thomas Larson
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AIシャンプーマシンの動画