
美しさの基準は、時代によって変わるもの。現在、アメリカの上流階級では「マー・ア・ラゴ・フェイス」がトレンドだという。1月のドナルド・トランプ大統領就任式に集まった顔ぶれを見れば、その傾向は一目瞭然。トランプ大統領の妻メラニア・トランプ、アマゾン創立者のジェフ・ベゾスの婚約者ローレン・サンチェス、そして国土安全保障長官のクリスティ・ノエム。彼女たちは皆、似通った特徴を持っている。
その共通点とは、小さな鼻と大きな唇、そして大量のフィラーによって膨らんだ顔。フェイスリフトもマストだと、米『インディペンデント』誌。「マー・ア・ラゴ」とは、トランプ大統領の別荘があることで知られる、パームビーチのリゾート地のこと。「マー・ア・ラゴ・フェイス」のそのほかの特徴は、タイトで高い頬骨や、細長い目。ニコール・キッドマンの顔が分かりやすい例だとも。 言われて見れば、不自然なバランスのような気もする。
同誌の記事によれば、美容のトレンドはその人が属すコミュニティの文化的、社会的背景によって決まるという。そのコミュニティの人々と同じような容姿に似せることで、連帯感と安心感が生まれるのだろう。
これらの美容整形施術の結果、彼女たちの顔は「凍りついたような表情」になり、親しみを持てるような意思疎通は難しくなる。それでも、若々しい容姿も重視される政界に於いては、これらのアンチエイジング的美容整形は必要なコスト。
権威を手に入れるために美容整形を重ねて外見の個性が失われて行くというのは、興味深い現象と言えるかもしれない。
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