楽しみは“撮った後”に待っている! 本格ラボで写真を印刷する魅力とは

  • 写真:太田太朗、竹之内祐幸
  • 編集&文:石川博也
  • スタイリング:飯垣祥大
  • ヘアメイク:矢島菜々子
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せっかく撮影した写真を画面上で眺めるだけで終わらせてしまうのは、実にもったいない話。写真家としても活躍するモデルの琉花が、“撮った後” の楽しみ方をお薦めアドレスとともにナビゲート。ここでは「ラボで印刷する」楽しみを紹介する。

いま、“カメラ”を手にし、“写真”を楽しむ人が増えている。ライカからインスタックスまで、多種多様に広がるカメラの選択肢を紹介しながら、写真の撮り方、そして印刷し額装するアイデアまでを、その道の達人たちにうかがいながら紐解き、紹介する。

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写真はプリントすることで愛着が湧き、見返す機会も自ずと増える。用紙だけでなくキャンバスや木版、アクリルなどにも印刷できるので、大切な写真がふたつとない作品になる。

デジタルデータに変換した思い出のフィルム写真をプリントするために琉花が訪れたのは、東銀座にあるフラットラボだ。

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琉花 ⚫︎1998年、東京都生まれ。モデルの活動と並行し、写真家lukaとして広告撮影、ZINE制作のほか個展も開催。今回の企画で撮影後の楽しみ方を実際に体験した。旅先で撮った写真をアクリルのブロックとA3サイズにプリント! シャツ¥28,600、パンツ¥38,500/ザ シンゾーン(シンゾーン 表参道本店☎070-1389-5295) ネックレス¥121,000/バイスミス(ワールドリーワイズ☎03-5369-6428) Tシャツ、ベルトはスタイリスト私物。

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工房内にはアクリルやキャンバスなどプリントできる素材のサンプルが並ぶ。

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和紙やアート紙など用紙の品揃えも豊富。今回は半光沢紙をチョイス。アメリカのローワー・アンテロープ・キャニオンを訪れた時に自然美に圧倒されて撮影した写真を、A3サイズにプリントすることに。

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アイスランドで撮影した写真をアクリルにUVプリント。作業は60秒足らずで完了した。「空の青と白のコントラストがアクリルによって美しく表現され、撮影時の感動が蘇ります」と琉花。

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日本に数台しかない世界最高品質かつ高生産性を誇るスイスキュープリントの大型UVプリンター「Kudu(クドゥ)」。

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印刷して楽しみたいときのスポットリスト

1. 多様な素材にプリントできる、アートなラボ「フラットラボ」

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今回琉花が体験したミュージアムプリント(A3半光沢紙)は¥2,970。納期は注文から1週間程度。アクリル(100×150㎜、20㎜厚、UVプリント200%)は¥10,450。納期は2週間程度。 

さまざまな用紙に印刷できる、美術館品質の「ミュージアムプリント」をはじめ、特殊なアートプリントが行える専門工房。アクリルやキャンバス、アルミ複合版などに直接プリントできるUVダイレクトプリント、インクを盛り上げ、凹凸表現ができるUV積層プリントなどを用意。常駐のプリンティングディレクターに相談することで、時には自分で撮った写真が想像以上の本格的なアート作品になることも。写真の可能性を広げてくれるラボである。

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清潔感のある工房内。

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琉花が手にするのは特注フレーム。この工房でできることは幅広く、まずは作品を携えて、プリンティングディレクターに相談しよう。

フラットラボ
東京都中央区銀座2-16-7 銀座2丁目松竹ビル
TEL:03-6264-7718
営業時間:10時~18時30分(要予約)
定休日:土、日、祝
flatlabo.com/

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2. 印画紙プリントだから、手軽に味わい深い仕上がりに「写真屋 フォートウエノ」

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店は渋谷と恵比寿の中間にある。

1971年創業。昔ながらの街の写真店だが、多くのプロカメラマンにも愛される秘密はプリントへのこだわりにある。デジタルプリンターの設定を独自に調整し、自然な色みに。インクジェット紙ではなく印画紙にプリントすることでやわらかな雰囲気に仕上がる。ネガフィルムの場合はレンズの光を印画紙に焼き付けるアナログプリンターを使用。補正がないためレンズやフィルムの特性が出やすく、手焼きに近い味わい深い写真が出来上がる。

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デジタルデータのプリントはL判(89×127㎜)1枚¥39~。フィルム現像は35㎜カラーネガ1本¥660~。35㎜ネガのプリントはL判1枚¥61~。他にもさまざまなプリントが可能。レンタルスキャナーが1時間¥3,300で使い放題。 

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富士フイルム、コダックのフィルムや「写ルンです」なども販売。

写真屋 フォートウエノ
東京都渋谷区東2-23-7 山田ビル1F
TEL:03-3407-1202
営業時間:10時~20時(月~金) 12時~20時(土、祝)
定休日:日
photo-ueno.sakura.ne.jp/

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3. 理想の仕上がりを相談できるから、初心者でも頼れる「プリズムラボ吉祥寺」

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店は吉祥寺駅北口から徒歩5分のところにある。

ラボで同僚だった3人が独立し、フィルム写真を中心に現像やプリント、データ作成などを行うサンプリズムを設立。その窓口を兼ねた店舗を吉祥寺にオープンした。根底にあるのは「デジタル全盛の時代にフィルムで撮影を行う人の力になりたい」「フィルム文化を残したい」という思いだ。写真展を控えた作家から初心者まで、さまざまな人の相談に乗りながらプリントを行う。色みの注文ができるので、イメージに近い資料を持参するのがお薦め。

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奥行きのある洞窟のような店内。カラーネガ現像1本¥600(35㎜)~、スキャニング1本¥800(2L判127×178㎜)~、サービスプリント1枚¥60(L判89×127㎜)~ 

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店内では、写真にまつわるポスターや雑誌のほかフィルムも販売している。

プリズムラボ吉祥寺
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-28-3 ジャルダン吉祥寺113
TEL:050-1113-4416
営業時間:12時~19時 
定休日:月、火(祝日の月は営業)
sun-prism.net/

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4. 美術館作品レベルの印刷が、1枚から手軽に実現「徳川印刷」

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プリンターはエプソンの「SureColorP20050」を使用。色の再現性や保存性の高い10種類の顔料インクで印刷を行う。 

世界中の写真家や美術館に最高品質のインクジェットプリントを提供するプリンティングディレクターの松平光弘が、一般向けに始めたオンラインでの印刷サービス。高品質にもかかわらず、データ調整を行わないため安価かつ短納期を実現。高精細で高発色のジークレー印刷を採用し、色の表現を光の三原色であるRGB(レッド・グリーン・ブルー)で入稿するため、色域が広く表現力も豊かだ。紙は10種類から選択可能で、1枚から印刷できる。

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キャンバスや和紙など10種類ある紙の印刷料金は一律で1枚¥2,500(A4)~。定型サイズ以外も1㎜単位で調整可能。 

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サイズ調整は手切りで行っている。また、印刷後は色抜けや紙のスレ、キズなどを目視で確認する。

徳川印刷
東京都江東区白河1-3-13 清洲寮 イ號303号室
TEL:03-6240-3040
営業時間:9時~17時(受付時間) 
定休日:土、日、祝
www.tokugawa.matsudaira.co.jp/

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