歩き疲れが理由で出番が減ったスニーカーが、ウォーキングシューズ並に快適になるなら?
「ローテクスニーカーがスポーツシューズに及ばないのは当然」と思っていた常識をくつがえせるとしたら?
皆さんはきっと試してみたくなるでしょう。
今回はそんなスニーカー改善ライフハックの話です。
ご紹介する3つの方法は、どれも家庭で瞬時に試せるものばかり。
新たにグッズを用意する必要はありますが、ネットで入手が簡単です。
価格も「スニーカーにちょい足しするならこんなもの」程度の無理のない範囲。
3つの方法とは以下です。
1. インソールの下にシリコンクッションを入れる。
2. 踵を安定させるインソールへの交換。
3. パイルつきソックスを履く。
次より詳しく見ていきましょう!
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ヒール保護のシリコンクッション
右はSサイズ(21.5〜24.5cm)、左はLサイズ(25〜28cm)。
シューズのカカト部分に置いて使う衝撃吸収商品です。
(写真は新品で、底面のフィルムつきで撮ってます)
商品名、ブランド名不明。
Amazonではいろんな出店者が取り扱ってます。
価格は1足分の左右ワンセットで400円を目安にするといいでしょう。
上のSとLの2セットなら、計1,000円近くですね。
とにかく安いですが抜群のパフォーマンスを発揮します!
最適なスニーカーのタイプは、地面にカカトを着地させたときカツンと固く感じるもの。
クッションが悪いスニーカーを改善してくれるグッズ。
使うときのコツは、インソールの下に仕込むこと。
これが重要です。
この製品は本来、単にシューズのなかに入れるだけの使い方が想定されているのでしょう。
でもそう使うと足にネットリとくっつきます。
靴下の糸くずで汚くなり、シューズ内部でズレまくるダメっぷり。
カカトだけブヨブヨして足が違和感を感じる点もNGです。
しかしこれらの問題点は、インソールを上に被せることですべて解決します。
カカトが少し持ち上がり軽く斜め傾斜になるため、履いた直後は不自然かもしれません。
しばらく歩くうちに慣れて、「いつものスニーカーなのに今日は楽に歩けるぞ」と思うようになるでしょう。
写真の一足は最近お気に入りのプーマ「スピードキャット OG」。
足入れが最高に気持ちよくて、スポーツスニーカーとは思えない高級な風合い。
ただドライビングシューズがベースなため、薄底でクッション力はあまり高くありません。
(でも見た目よりは遥かに歩きやすく、プーマの真面目な開発姿勢を感じます)
そこでヒールクッションを仕込むことにしました。
サイズ26cmで、Sサイズがジャスト。
スピートキャットのヒールカップは割とコンパクトなため、Lサイズだとやや無理して収めることになります(Lでも履いた違和感はなし)。
なお青と赤の色はサイズと無関係です。
通常のインソールのまま、クッション力を高められます。
反発力(前に踏み出す力)も感じます。
反発力って実はとても重要でして、衝撃吸収に優れるだけのシューズは歩くうちに疲れてしまうものです。
最初は軽快に思えたシューズが街歩き途中にどんどん重くなり、足を引きずるように歩くようになった経験を何度もしてきました。
ヘタに衝撃吸収性能だけ持たせると、革靴以下の履き心地になりかねません。
スピードキャットは前足部分が地面の小石を感じるほど薄底で(車のペダルを踏みやすい構造)、それも疲れやすい要因のひとつ。
それでもカカトのクッション力アップで、クイックに歩けるようになりました。
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さて、それではインソールが靴底に接着されているスニーカーはどうすればいいのでしょうか?
2025年2月に登場してすぐ入手した70年代復刻版の「オールスター LGCY(レガシー)」。
歩きやすさが現代的に改良された新定番。
でも長時間の履き心地をもっと高めたいのです。
接着ソールですが、指を隙間に差し込み力任せに引き剥がせばたぶん……、
いけましたね。
ビリビリと接着を剥がしました。
なるほど、インソール裏全面がポリウレタン貼りで、カカトにはクッション材がつけられてます。
昔のオールスターとは柔らかさが段違い。
このようにカカト部分だけインソールを剥がし、シリコンクッションを収めて元に戻せばOK。
わたしは接着し直しなどやりません。
シリコンクッションを使うと、スニーカーの甲がややキツくなりやすい問題があります。
履き口が歪むケースもあり。
そのあたりにはどうぞご留意を。
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アーチとカカトを支えるインソール
歩きやすさの改善方法のうちまず試すべきは、前述したシリコンクッションだと思います。
インソールは元のままですから、足裏が感じる違和感が少ないんです。
低価格でどのシューズにも常に入れておきますし。
ですが最初から機能に優れるスポーツスニーカーをさらに改善したいときは、インソールそのものの交換、またはインソールの重ね入れが有効です。
選ぶコツはカカトのブレを安定させ、アーチが盛り上がったものにすること。
この製品は、定評のあるニューバランスの「サポーティブリバウンドインソール」。
価格は定価2,200円で、品質のよさを考えるとお買い得。
クッション力より足のサポートを主目的にした商品。
インソール全体は柔らかく、カカト部分の赤いパーツは固めの樹脂。
この樹脂はカカトの横ブレを防ぎ、アーチをホールドする機能です。
青い丸は衝撃吸収と反発のクッション材。
地面の着地時に足(カカト)がブレる動きが長時間続くと、足の負担が増して疲れていきます。
このインソールはカカト周辺を安定させられます。
アシックスの「GT-2160」にはとても効果的でした。
(黄色タブのGALLERY DEPT.はコラボ相手の名称)
2160はY2Kランニング復刻系の人気モデルで愛用者も多いでしょう。
ただわたしが半日ほど履くと、着地のクッションが柔らかすぎて疲れてしまうのです。
本体がグニャッとよく曲がり、屈伸の良さが逆に足裏の過剰な曲げ伸ばしにつながるとも感じました。
(あくまでもわたしの場合)
そこでインソール交換で、カカト周りを固く安定させ無駄な足の動きをカット。
疲れにくく歩きやすくなりました!
右はSで5〜6inch(23〜24cm)、左はMで6.5〜7.5inch(24.5〜25.5cm)。
XSから2XLまであります。
全体の長さは表記より長め。
一般的にシューズの歩きやすさ改善の手段として、まず候補に挙がるのがこうした高機能インソールの採用でしょう。
ただスニーカーの内部形状により合わないケースが少なからずあります。
ハサミやカッターで前足周辺をカットして使う商品ながら、肝心のカカト周辺とアーチは固定形状ですから。
ゆるいシューズでないと窮屈になるのもよくあること。
なるべくなら試せる店を探し、店頭でチェックしてから購入するほうがいいでしょう。
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これ履けば楽になる、裏パイルソックス
最後にご紹介するのは、スニーカーでなくソックスの改善です。
分厚いソックスならクッション力が高まりますが、足回りがキツくなりますよね。
そのとき活躍するのが、内側の足裏部分がタオルのようにパイル起毛されたソックス。
甲はフラットですからスニーカーがキツくなることがありません。
たったこれだけでも足疲れが減ります。
パイルソックスがお薦めなのは、どこにでも売ってることも理由です。
数百円の無印良品にもありますし。
掲載の品は「VIBSOX」(1,760円)。
パイル部分がふわふわです。
VIBTEXテクノロジーを使ったVIBSOXは、日本製の抗菌・防臭ソックス。
コットンベースの素材なのに、びっくりするほど臭わず。
スニーカーに合うルックスも秀逸です。
コットン素材ソックスは近頃、VIBSOXしか履かなくなりました。
パイル以外では天然ウールのソックスも、コットンよりクッション力が高い印象です。
夏も履ける薄いメリノウールのソックスでも。
さらにウールは肌状態を良好に保ち、足裏さらさらで臭いのなさも驚異的。
足の臭いが気になる人はウールを試してみましょう。
わたしは長らく「すぐにクタるソックスにお金掛けたくない」派だったのですが、最近は考えを改めています。
いいソックスだと足裏も脚も、ぜんぜん楽になりますから!
スポーツメーカー製のサポート性能のあるものが日常生活には最適です。
スニーカーの足疲れは、スニーカー自体を改善するのがいちばんの方法。
それに加えてソックスを見直すのも選択肢のひとつ。
皆さんもどうぞよきスニーカーライフを!

ファッションレポーター/フォトグラファー
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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