ドイツが誇る二つの名門が手を結んだ。一方は精緻なアイウエアで知られるMYKITA(マイキータ)、もう一方は高級スーツケースの代名詞RIMOWA(リモワ)。異なる分野で卓越した技術を磨いてきた両者が初めて共同開発したアイウエアコレクションは、予想をはるかに超える驚きに満ちている。

2025年4月3日、ベルリンから発せられたこの知らせは、デザイン界に小さからぬ波紋を広げた。それもそのはず、両ブランドは単なる製品を生み出すのではなく、「ジャーマンデザイン」という哲学そのものを形にしたのだから。手に取った瞬間に感じる意外な軽さ。視界を遮らず、むしろ風景をより鮮明に切り取るレンズ。そして何より、装着した者の個性を引き立てる絶妙なバランス感覚。それらはすべて、両ブランドが長年にわたって磨き上げてきた技術の結晶だ。
「私たちの探求は、形と機能の完璧な調和にありました。素材の可能性を極限まで引き出すこと、それがこのコラボレーションの核心です」とMYKITAの創設者兼クリエイティブ・ディレクターであるモーリッツ・クルーガーは目を輝かせる。
コレクションは大きく二つのシリーズから構成されている。まず目を引くのが「HERITAGE」シリーズだ。MYKITAが初めてアイウエアにアルミニウムを採用し、RIMOWAの象徴的な陽極酸化処理技術と融合させた意欲作。パント、スクエア、アビエーターという古典的シルエットに、現代的解釈を加えている。フレームに施されたシルバーやブラックのアルミリングは、単なる装飾ではなく構造的安定性をも高める機能美を体現している。対照的に「VISOR」シリーズは未来を指し示す。超軽量のステンレススチールフレームと独自開発の円環状シールドレンズの組み合わせは、まるで建築家が設計した空間のように、装着者の視界を洗練された角度で切り取る。特にマイロン素材を用いたシールドクリップは、技術革新と美意識の見事な調和点だ。
このコラボレーションの魅力をさらに引き立てるのが、キャンペーンに登場する二人の演者、ドイツを代表する俳優ウド・キアとルクセンブルク系ドイツ人のカリスマ女優ヴィッキー・クリープスの存在感だ。彼らがパスポート写真撮影という日常的なシチュエーションで演じる多面的な自己表現は、このアイウエアが単なるアクセサリーを超えた、自己表現の道具であることを物語っている。
「動きと視覚の融合」。RIMOWA CEOのユーグ・ボネ・マザンベールが語るこの言葉こそ、両ブランドの哲学を端的に表している。移動と視界、その両方を革新することで人々の体験を豊かにする——そんな壮大な夢が、このコレクションには込められているのだ。
同コレクションは4月10日(水)より販売開始予定。偉大なものづくりとは、過去を尊重しながら未来を切り開く行為である。MYKITAとRIMOWAが紡ぎ出したこの物語は、ドイツのデザイン哲学が今なお進化を続け、私たちの日常に新たな輝きをもたらしていることの何よりの証左だろう。


