まるでブラックホール。湖に「巨大な穴」が出現、その理由は…?

  • 文:Rikako Takahashi
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shutterstock_2555859593.jpgあPhoto:trekandshoot/Shutterstock※写真はイメージです

米カリフォルニア州の湖に、直径約22メートルの巨大な穴が出現した。ぽっかり空いた穴に、大量の水が流れ込む……実はこれ、珍しい構造のダムの放水路。思わず見入ってしまう映像が、SNSや海外メディアで話題になっている。

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水が真下に“落下”するダム放流

同州北部ナパバレー、ベリエッサ湖のモンティセロダムに作られたダム穴は、正式には「モーニング・グローリー・ホール=朝顔型洪水吐(こうずいばき)」と名がついている。地元民からは、愛着を込めて「グローリー・ホール=栄光の穴」と呼ばれている。

ダムの放流といえば、通常は上流から下流に滝のように流れる構造を想像するはず。ところがベリエッサ湖では峡谷の幅が足りず、水がまっすぐ落下する「ろうと型」の穴を放水路として建設した。水位が低い時は、煙突のように穴が水面から突き出ている。ロサンゼルス・タイムズ紙によると、穴の直径は約22メートル。ここに吸い込まれた水は、約60メートル下にあるプタ川に注ぐ。

公開された映像を見ていると、ダム穴に吸い込まれそうだ。大量の水が落ちていくその様は、まるで「ブラックホール」や「地獄の入り口」などと称されている。

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6年ぶりに穴が出現

この設計はとてもユニークだと、地元の歴史家・ジャーナリストのピーター・キルクス氏はCBSニュースに語る。建築マニアやダムマニア、観光客で地元は賑わっているという。

「週末の混雑時には、車を停めることもできません」

「このダム穴は『円形の滝』です。見ていてただただ美しい」

ダムが完成したのは1957年。2017年、11年ぶりにダム穴が開放され、その次は2019年だ。今回の「グローリー・ホール」出現は6年ぶりとなる。最初は2月4日に穴が開いたが、3月末にも放流があり、ピープル誌によると気候次第では4月まで続く可能性があるという。

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実際のダム穴の映像。

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ベリエッサ湖のダム穴の様子。