長年のパートナーの死を悼むゾウの様子が悲しすぎると話題に「遺体にずっと寄り添い…」

  • 文:吉井いつき
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Shutterstock ※画像はイメージです

動物園のゾウが仲間の死を悼む様子を捉えた動画が話題になっている。英デイリーメールなど、複数メディアが取り上げた。

長年の相棒の遺体に寄り添い…


今年3月13日、ロシアに併合されたクリミア半島のタイガンサファリパークで54歳のゾウ、ジェニーが病死した。ジェニーは相棒のゾウ、マグダと共にロシアのサーカス団で活躍していたが、2021年にサーカスを引退し、その後はこの動物園に引き取られた。この2頭のメスのゾウたちは、四半世紀以上の時を共に過ごしていたそうだ。


長年のパートナーであるジェニーが亡くなると、マグダは思いがけない行動を取った。マグダは力なく横たわるジェニーの遺体にぴったりと寄り添い、その長い鼻で体を撫でたり軽く叩いたりしたのだ。マグダは数時間もジェニーのそばから離れようとせず、その間は獣医でさえ近づけなかったという。


この様子を収めた動画がSNSに投稿されると、「なんと悲しい動画だろう」とたちまち大きな話題となった。「マグダの行動に心から同情する」と、多くの人々がマグダに心を寄せ、ジェニーの死を悼んだのである。

過去には大事故も


ジェニーとマグダは、かつてロシアのカザンサーカスで活躍していた。しかし、2021年に二度の事故を起こして急遽引退したという過去を持つ。一度目の事故では公演中に2頭が突然喧嘩を始め、マグダがジェニーを突き飛ばして蹴り付けた。また、二度目の事故では2頭が調教師を襲い、彼は脊椎や肋骨を骨折する大怪我を負った。


このような経緯でクリミアの動物園に移ったジェニーとマグダであるが、動物園では2頭ともいつも穏やかで、仲良く暮らしていたという。時折サーカスで覚えた芸を披露することもあり、動物園の客たちを楽しませていたそうだ。


研究によると、野生のゾウも仲間の死を悼み、埋葬することさえあるという。マグダも長年のパートナーの死を深く悲しみ、彼女なりにその死を悼んだのだろう。2頭の悲しい動画は、世界中で多くの人々の共感と同情を呼んでいる。


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ジェニーに寄り添うマグダ

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