母犬が子犬を救助!動物病院まで運ぶ動画に「なんて賢いの」とネットの声

  • 文:Rikako Takahashi
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shutterstock_1799789584.jpgphoto:studio hoto/Shutterstock※写真はイメージです

トルコ・イスタンブールにある動物病院に、子犬が運び込まれた。それ自体はよくあることだが、人ではなく、野良の母犬が自ら子犬を病院に連れてきたのだ。

一部始終をとらえた監視カメラの映像が、SNSで反響を呼んでいる。

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ぐったりした子犬を口にくわえ来院

動物病院は1月13日、Facebookに1本の動画を投稿した。

映像には、病院の玄関先が映っている。雨の降る路地を、1匹の野良犬が歩いてくる。口には、ぐったりとした子犬をくわえていた。

母犬は、マットに子犬を置く。それに気づいたスタッフが、すばやく子犬の状態を確認し、2匹を中に入れた。

診察台に乗った子犬を母犬が心配そうに見つめる様子も映っている。獣医師が子犬にアドレナリンを打ち、体を温めた結果、子犬は意識を取り戻したようだ。動画の終盤では、元気そうな母子の姿が確認できる。

動画は反響を呼び、複数の海外メディアがこの出来事を報じた。

最初、子犬の心拍が「非常に弱かった」と獣医師はAP通信に語る。「今はとても元気で、健康状態も良好です」

米テレビ局WKRCによると、きょうだいの別の子犬と一緒に、母子3匹が病院で保護されているという。米NBCニュースがInstagramに投稿した動画には「なんて賢いの」という驚きや、獣医師たちへの感謝のコメントが寄せられた。

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野良犬、野良猫大国トルコ

トルコ、特にイスタンブールは、たくさんの野良犬や野良猫が悠々と生活していることで有名だ。エサをあげるなど、面倒を見る人も多い。

ガーディアン紙によると、トルコ全土には約400万匹の野良犬がいると推定されている。

数が増加し、群れをなした野犬の襲撃や狂犬病のリスクなどが問題視されたため、2024年7月、トルコ政府は野良犬の捕獲と、場合によっては殺処分を認める法案を可決した。市民や国内外の動物愛護団体から反対の声があがり、抗議運動が各所で行われている。

だが、野良犬に襲われてけがをしたり、亡くなる人がいるのも事実。新法案は、保護施設でワクチン接種や去勢など正しい処置を施したあと、里親に出すことも義務付けているが、予算上完全な実施は困難な見通しだ。

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監視カメラ映像。Xより。

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