クリスマス休暇に入る学生へ向けた学校からの言葉。普通ならつまらないと感じるであろう挨拶を、ユーモラスな動画に変えた学校がある。イギリスのある名門校の公式インスタグラムで披露された校長のダンス動画が再生回数を伸ばしているのだ。

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年間授業料は1100万円の学校の校長が……

マルバーン・カレッジは寄宿学校で、年間の授業料は6万ポンド（約1100万円）にも及ぶ。卒業生にはイギリスの作家C.S.ルイス、BBCでキャスターを務めるモンティ・ドンなどもいる名門校のひとつだ。生徒も教師も真面目な人ばかりかと思いきや、同校の校長が学校公式のインスタグラムでダンスを披露。学校のイメージとは相反する意外な姿に、多くの人が驚き、学校への注目度が高まっているようだ。

というのも、校長がダンスしたのは、2003年公開の映画『ラブ・アクチュアリー』のワンシーンをパロディ化したもの。この映画は、ロンドンのクリスマスで生まれた9つの恋愛ストーリーを紹介したロマンティックコメディだ。

ヒュー・グラントが演じるのは、若くしてイギリスの首相の座についたデイビッド。彼は、首相としての職務に励むなか、秘書のナタリーに恋してしまう。ある日、仕事を終えたデイビッドはスーツの上着を脱ぎすて、首相官邸でひとりでノリノリでダンスを始めてしまう。自分しかいないはずと思ったら、いつの間にか現れたナタリーにバッチリ目撃され、素知らぬふりをする……という人間味あふれるワンシーンがある。

そんなクリスマス映画の代表作のなかで、とくに同作品を印象づけるデイビッドのダンスシーンを、この校長が同じように演じたのだ。校長が躍る場所は、もちろんマルバーン・カレッジの校内だろう。格式高い重厚な内装は、『ラブ・アクチュアリー』の首相官邸さながらだ。しかし、ふだんは生徒や保護者の前でかっちりと仕事する人物だって、プライベートになれば羽目をはずして、音楽にあわせて踊り出しているのかも……。そんな、くすりと笑ってしまうワンシーンを見事に再現。最後は、副校長にダンスを見られてしまうというオチがついている。

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ダンス動画がバズり、学校の宣伝に

同校は、この校長のダンス動画を同校の公式インスタグラムに投稿。「学期末おめでとう。マルバーン・カレッジより愛をこめて」の言葉を添えている。学期末と休暇のお知らせという何の変哲もない投稿だが、この校長のダンス動画のおかげで、ふだんの投稿なら数百件程度の「いいね」しかつかないが、この投稿には11000件以上の「いいね」がつき、500以上のコメントが寄せられている（12月23日時点）。

「ヒュー・グラント、負けたぞ！」「校長のダンスの動きがいい」「副校長の演技もすばらしい」と、なかなかのキレキレッぷりを賞賛する声が続いている。さらに、「うちの子どもをこの学校に通わせたくなった」なんて声すらあった。学校のユーモラスあふれる校風も伝え、思わぬ学校の宣伝効果にもなっているようだ。

ちなみに、『ラブ・アクチュアリー』でのダンスシーンについて、ヒュー・グラントは「嫌だった」そうで、監督に何度も「ノー」と言っていたというが、“契約上”踊ったのだという。だから、この校長ももしかしたら、本当はこんなパロディダンスを披露するのは、恥ずかしくてしょうがなかったのかもしれない。

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元ネタとなった映画『ラブ・アクチュアリー』のシーン