【Penが選んだ、今月の音楽】
『オデッセイ』

ロンドンの新世代ジャズ・シーンを牽引するサックス奏者のセカンドは、「ジャズに名曲なし、名演あるのみ」という格言を覆す、コンポーザーとしての才能を見事に開花させた快作だ。エスペランサやジョージア・アン・マルドロウを迎えたメロディアスなボーカル曲から、初めて自身で手掛けたストリングスのオーケストレーションが妙味を打ち出す室内学的楽曲まで、R&B、クラシック、ダブを横断する彼女のジャズが大胆かつ深遠に響く。アメリカのジャズとは異なる、ヒップなUKジャズの現在と未来を聴かせる全12曲。
※この記事はPen 2025年1月号より再編集した記事です。