【Penが選んだ、今月の音楽】
『ホエア・ザ・マインド・ワンダーズ』

イギリスはブリストル発、新鋭シンガー・ソングライターのデビュー盤が世界同時で初フィジカル化。輝くような軽快さと内省的な叙情性を併せ持つSSW然とした音楽性を、ジャズやヒップホップを内包する心地よいネオ・ソウルとして表現する。穏やかなボーカルも耳福だが、地元ミュージシャンと繰り広げたセッション録音などを繊細にコラージュしたローファイ・ビーツも魅力で、没入感のあるノスタルジックな聴き心地が楽しめる。J・ディラの影響が色濃いDIY的アプローチで多彩な音の風景を描く、幽玄な良作だ。
※この記事はPen 2024年9月号より再編集した記事です。