そもそも、恐竜とはどのような生き物だったのか? 特集を読み進めていく前段階として、その概要を改めて解説しよう。恐竜をめぐる基礎知識から、深く理解するためのキーワードまでをまとめた。今回は、恐竜が地球史上最大の陸生生物になった「巨大化」について。
Pen最新号は『恐竜、再発見』。子どもの頃に図鑑や映画を通して、恐竜に夢中になった人も多いだろう。本特集では、古生物学のトップランナーたちに話を訊くとともに、カナダの世界最高峰の恐竜博物館への取材も敢行。大人になったいまだからこそ、気付くことや見える景色もある。さあ再び、驚きに満ちた、恐竜の世界の扉を開けてみよう。
『恐竜、再発見』
Pen 2024年9月号 ¥880(税込)
Amazonでの購入はこちら
楽天での購入はこちら
生き抜くために……恐竜たちの生存戦略
恐竜類といえば、まず「大きい」というイメージが強いかもしれない。全長13mのティラノサウルスや全長35mのマメンチサウルスなど、確かに現代では考えられないほど巨大な恐竜はたくさんいた。
しかし出現当初から恐竜類はこれほど大きかったわけではない。最古の恐竜類は、エオラプトルなど、アルゼンチンの約2億3000万年前の地層から発見された恐竜たちだ。大きいものでも全長6m、ほとんどは全長2m以下と、小型の恐竜が多数であった(上に示す3体は実際の比率で並べたものだ。レッセムサウルスやマメンチサウルスに比べ、画面下のエオラプトルがいかに小さかったかがよくわかる)。
ジュラ紀以降、全長10mを超える恐竜がいくつも出現した。なかには全長30mを超える超大型種まで登場するようになった。
巨大化が顕著に現れたのが竜脚形類(特に竜脚類)である。20m超、30m超にまで大きくなったのは竜脚類だけだ。なぜこれほど大きくなったのだろうか?
巨大であればあるほど、捕食者から襲われにくくなる。そして大きくなるほどたくさん食べなければいけない。たくさんの植物を消化するためには、それだけ長い腸が必要になる。こうしてさらに大きくなっていったのだ。
一方、同じ植物食恐竜である鳥盤類は竜脚類ほど大きくならなかった。彼らは捕食者から身を守るために角やトゲなどで武装していた。竜脚類とは異なる生存戦略を取っていたのである。
『恐竜、再発見』
Pen 2024年9月号 ¥880(税込)
Amazonでの購入はこちら
楽天での購入はこちら