季節ごとの実りの景色から、ほんのひと枝の奥深さを知る

  • 文:瀧 晴巳(フリーライター)
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【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】
『百実帖』

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雨宮ゆか 著 雨宮秀也 写真 エクスナレッジ ¥1,980

花を飾る。それだけで部屋が生き生きと呼吸し始める。草苺、ブルーベリー、枇杷、南天……。実のなる植物はやわらかにしなる枝ぶりも楽しげで、ほんのひと枝でも絵になる。『百花帖』『百葉帖』に続くシリーズ第3弾は実もの。季節ごとに野菜や果物、木の実を生けた実りの景色を100集めて、美しい写真とエッセイで紹介。名前を知り、由来を読めば、そこに物語が浮かび上がる。花器だけでなく、普段使いの器を使った生け方のヒントも満載。眺めているだけで癒やされる、草花でたどる歳時記のような一冊。

※この記事はPen 2024年7月号より再編集した記事です。