【Penが選んだ、今月の音楽】
『瑠璃色の地球 ~風のうた パイプオルガンで聴く想い出のポップス』
キリスト教徒の少ない日本では馴染みのないパイプオルガンに親しんでもらおうと、既存の価値観に縛られないレパートリーを開拓し続ける石丸由佳。なんと新作は70~90年代の懐メロだ。原曲もオルガンで始まるユーミンの「翳りゆく部屋」を筆頭に、日本製手づくりオルガンのピュアでありながらも味わい深い音色によって、よく知ったはずの楽曲から純粋な思いがストレートに伝わってくる。特にお薦めしたいのは、小林明子「恋におちて」と坂本九「心の瞳」。編曲も凝りすぎず、単純すぎずのいい塩梅だ。
※この記事はPen 2024年6月号より再編集した記事です。