「旅を通して出会う新しい発見やよろこびを、毎日の暮らしにも」をコンセプトに、ホテルアメニティやアパレル雑貨、フードなどのオリジナルアイテムを展開するオリエンタルマーケット。これまではECサイトのみでの販売だったが、商品を手に取って質感やこだわりを感じ取ることのできる待望の実店舗が、神戸メリケンパークオリエンタルホテルに誕生した。
“神戸”と聞いてまず思い浮かべるのは、港の景色だろう。鉄塔の美女と称される真っ赤な神戸ポートタワーと、大海原の波や船の帆を表現したダイナミックなデザインの神戸海洋博物館、そして色鮮やかなイルミネーションが幾重にも変化するモザイク大観覧車。それらすべてを一望できるのが、神戸メリケンパークオリエンタルホテルだ。
「阪神淡路大震災で傷ついた街に、いち早く復興の光を」という強い想いのもと、震災からわずか半年後の1995年7月に開業。海に浮かぶ豪華客船のような佇まいは、いまや港町・神戸のシンボルのひとつになっている。そんなホテルに足を踏み入れるとまず現れるのは、開放感たっぷりの吹き抜けロビーだ。落ち着いた照明のなかにパームツリーや噴水があしらわれ、そこはさながら大人のリゾートといった雰囲気。
ロビーフロアにあるオリエンタルマーケットは、ホテルの内装とは一線を画す白を基調とした明るいショップで、まずそのコントラストが目を引く。木々の温かみにあふれる広々とした店内には、ホテルアメニティを扱う「オリエンタリスト」、地域共創の取り組みによってうまれたアパレル・雑貨の「オリエンタム」、ホテルならではのグルメを扱う「オリエンタルテーブル」の3ブランドのアイテムが揃う。
いずれも使い心地を追求しながらもサステイナブルなものづくりを心掛けていて、ふっくらとしたやわらかな肌触りのタオルは、成長の早い竹素材を用いる配慮がなされていた。そして神戸メリケンパークオリエンタルホテルをはじめ、系列の複数のオリエンタルホテルにも導入されているアメニティを、自宅でも楽しめるのがうれしいポイント。和漢植物エキスをふんだんに取り入れた、肌と髪に優しいバスアメニティや、吸水・吸湿性の高いワッフル生地のパジャマなど、ホテルクオリティのアイテムを日々の生活にも取り入れられる。
とりわけ注目したいのが、神戸元町生まれのレザーブランド・キイチとつくった「神戸レザー」の革製品だ。これまでそのほとんどが廃棄されていた神戸ビーフの原皮を用い、兵庫県内でなめしたものだけを「神戸レザー」と呼び、キイチではクルマで約1時間の距離にある皮革の名産地、兵庫県たつの市の職人によってなめされたものを製品にしている。その絶妙なシボの表情とユニセックスな色合いは、ぜひともショップに赴いて確かめてみてほしい。開業当初から神戸の復興とともに歩み、地域に根差したホテルで、この土地が育んだサステイナブルなアイテムを手に取れるのはなんとも意義深く、とっておきの旅の土産になるに違いない。
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非日常へといざなうエグゼクティブラウンジと神戸の夜景
オープンしたばかりのオリエンタルマーケットを楽しんだあと、ディナーまでのひとときを過ごすなら、同じロビーフロアにあるエグゼクティブラウンジをお薦めしたい。これまでスイートルーム、エグゼクティブルームの宿泊者に向けて1日3回のフードプレゼンテーションが行われていたが、新たにナイトキャップの時間帯が設けられ4回にリニューアルされたばかり。
フードメニューも一新され、17時半からのイブニングタイムには、シェフが目の前で切りたてのローストビーフを提供するカーブサービスが加わった。スパークリングワインやウイスキーなどのアルコールはもちろんのこと、日本有数の酒どころとして知られる地元・灘五郷の日本酒も揃う。強い西日がだんだんと海に沈み、夜へと移りゆくさまを眺めながら、非日常のひとときをゆったりと過ごすにはうってつけだ。
神戸を訪れた者なら、必ずや味わいたいと願うのが神戸ビーフだろう。そんな思いを叶えるなら、神戸ビーフと旬の食材を堪能し尽くせるステーキハウス「オリエンタル」がうってつけだ。ホテル最上階に位置するこのレストランでは、夜の帳に煌めく100万ドルの夜景を舞台背景に、鉄板の上でシェフが鮮やかな腕前を披露してくれる。
素材の持ち味を最大限に引き出した神戸ビーフのステーキは、さすが絶妙な火加減。ひと口味わうごとにじんわりと旨みが広がっていく。そしてもうひとつ外せないのが、スペシャリテの鮑だ。新鮮な海の幸が鉄板で勢いよく踊る姿もさることながら、しっかりと頬張ってほしいというシェフの思いを反映した、ごろっと大振りなカットに思わず笑みがこぼれる。
さらに夜を愉しむなら、同じフロアにある「VIEW BAR」にも訪れたい。その名の通り、パノラマに広がる夜景と酒に酔いしれるこのバーでお薦めなのは、大規模な改修工事を終え装いも新たになった神戸ポートタワーを望むシートだ。神戸の美しさは、海も山もすぐ近くにあること。ここではタワーの奥に広がる六甲山系の夜景も眺めることができる。これから夏に向けては心地よい海風を肌で感じる、ルーフトップテラスのシートで寛ぐのも至福のひとときだろう。
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身体と心を優しく包む、潮風香るウッドデッキ付きの客室
神戸を楽しみ尽くした心地よい疲れを癒やすのは、高層階にあるエグゼクティブルーム。ブルーを基調にしたモダンで落ち着いた室内は、潮の満ち引きのような模様があしらわれ、まるで窓の奥に広がる大海原とつながっているかのよう。そしてアルコールの酔いを醒ますには、広々としたウッドデッキのバルコニーが最適だ。デッキチェアに横たわり心ゆくまで潮風を浴びたあとは、オリエンタルマーケットでも販売されるバスアメニティの心地よさを確かめよう。神戸メリケンパークオリエンタルホテルで過ごす一日は、神戸の海と街に抱かれる喜びと癒しにあふれている。
神戸メリケンパークオリエンタルホテル
住所:兵庫県神戸市中央区波止場町5-6
TEL:078-325-8111 全323室
www.kobe-orientalhotel.co.jp