19世紀ロマン派のように演奏される、クラシック史に連なるアニメ音楽『交響曲 宇宙戦艦ヤマト -LIVE 2023-』

  • 文:小室敬幸(音楽ライター)
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【Penが選んだ、今月の音楽】
『交響曲 宇宙戦艦ヤマト -LIVE 2023-』

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© 東北新社/著作総監修 西崎彰司 Licensed by ボイジャー音楽出版社

実写版やリメイクを通して若い世代にもファンを持つ宇宙戦艦ヤマト。その魅力は宮川泰による音楽なしには考えられない。本作は1983年の完結編で作曲にも加わった羽田健太郎が、宮川メロディを全4楽章の本格派交響曲にまとめ上げた傑作。初めて初演指揮者の手を離れ、19世紀ロマン派のように演奏されたことで、クラシックの歴史に連なる作品であることが明白に。昨今、アニメやゲーム音楽を取り上げるオーケストラ公演が多いが、若い世代にもヤマトがその源流にして最高峰であることが知られてほしい。

※この記事はPen 2024年6月号より再編集した記事です。