「大人の名品図鑑」ボブ・マーリー編 #1
伝説のレゲエミュージシャン、ボブ・マーリーの生涯を映画化した映画が公開される。『ボブ・マーリー:ONE LOVE』だ。すでに公開された全米などでの興行収入は初登場No.1を記録、日本でも話題になることは必至。今回はこの映画にも登場する、ボブ・マーリーが愛用した名品について解説する。
2024年5月、“レゲエの神様”と称されるボブ・マーリーの波乱万丈の人生を描いた作品『ボブ・マーリー:ONE LOVE』が日本でも公開された。彼の妻リタと息子のジギー、娘のセデラがプロデューサーとして製作に参画した“本物のボブ・マーリー”の伝記的な作品だ。
36年という短いボブの人生の中でも、この作品で主に描かれるのは1976年から78年という2年間。二大政党が対立し、独立後も政情が安定しないカリブ海の小国ジャマイカ。国民的なアーティストとなったボブだったが政治闘争にも巻き込まれ、ついには自宅で銃撃されるという事件が起きる。それでもわずか2日後に怪我をおして「スマイル・ジャマイカ・コンサート」のステージに立ち、8万人の観衆を前にライブを披露する。ボブは家族の安全も考え、その後ロンドンに逃れる。そこでタイム誌から20世紀最高のアルバムと呼ばれた名盤『エクソダス』をつくり上げ、世界的なスターへの階段を駆け上がっていく。一方、母国のジャマイカの政治状況はさらに不安定になり、内戦の危機が迫ってくる……。
本作の監督はウィル・スミスが主演した『ドリームプラン』(21年)を手掛けたレイナルド・マーカス・グリーン。主人公のボブ・マーリーを演じたのが、人気急上昇のキングズリー・ベン=アデイル。昨年、もっとも話題となった映画『バービー』にも出演し、ディズニープラスの『シークレット・インベーション』でも主演を果たした注目の人。一方、ボブの妻リタを演じたのはラシャーナ・リンチ。『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(21年)や『マーベルズ』(23年)などの話題作に次々と出演し、前者では英国アカデミー賞のライジング・スター賞を獲得した将来有望な女優だ。
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サッカーをこよなく愛したボブ・マーリー
波乱万丈の人生を送ったボブが、音楽と同じくらい愛していたのがサッカーであることは有名な話だ。作品の中でもロンドンでバンドメンバーと一緒にサッカーを楽しむ場面が描かれている。『ボブ・マーリー ワン・ラブ、ワン・ハート』(広田寛治、淡路和子著 エイト社)には「仕事がないときは、アラン・スキル・コールらとサッカーの試合や練習をして過ごした。ボブはたいてい左のフォワードで、みごとなドリブルでボールをゴール前に持ち込み、鋭いパスを出して得点をアシストしていた。音楽で成功したボブとサッカーで成功したスキルとの友情はスラム街の子どもたちのあこがれだった」と書かれている。
アラン・スキル・コールは当時、世界最強のサッカーチームのひとつ、ブラジル・サントスに所属するプロサッカー選手で、「当時のジャマイカでは神のような存在で、彼が早いパスのボブと組むと、その即席のフットボール・チームは大概負け知らずだった」と、『ボブ・マーリー レゲエの伝説』(晶文社)と著者のスティーヴン・デイヴィスはボブのサッカーのうまさについて書く。
そんなボブが愛用していた靴が、アディダス オリジナルスの「サンバ」だ。この靴は1950年にサッカー用に開発された歴史的なモデル。現在人気再燃中で、別注モデルなども製作され、日本でも多くの若者に愛用されるホットなモデルでもある。この作品で衣裳を担当したアンナ・B・シェパードは「当時、キングス・ロードでスニーカーを履いている人はおらず、ボブがあらゆる面において、先見の明があったのだろう」と話す。ボブはサッカーをする延長でこの靴を普段から愛用していたのだろうか。
諸説あるが、フランスでサッカーをしていたときの怪我がもとでボブは癌にかかったと言われている。腫瘍の痛みで演奏に悪影響が出てもサッカーを決してやめようとしなかったという。 “レゲエの神”が命を燃やすように愛したサッカー、その彼を常に支えていた靴が「サンバ」というわけだ。まさに名品である。
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