
長い年月をかけて育まれた”うま味”の正体とは?
甘味、塩味、酸味、苦味に並ぶ第五の基本味とされる「うま味」。だし昆布に含まれるグルタミン酸を代表とするさまざまなうま味成分は、日本各地の郷土料理に息づいている。
渋谷ヒカリエ8階にあるd47MUSEUMでは9月15日(日)まで「NIPPON UMAMI TOURISM 植生と文化をまるごと味わう 風土に還るうまみのデザイン」を開催中だ。日本を発祥とし、いまや世界共通語となっているUMAMIを味覚としてだけでなく、それが生まれた背景も含めて語られるべきものと捉え、各地の食の風景を感じてもらおうという展覧会だ。企画を行ったD&DEPARTMENTは、各地で長く愛されてきたモノを見つめ直す「ロングライフデザイン」の活動の中で、全国各地の食に関わる事業者やその担い手、生活者と交流を重ねるうちに、郷土料理の可能性や奥深さを実感したという。たとえば冬、雪に閉ざされる地域では保存食が必須だ。そこでは乾燥、塩漬け、発酵といった創意工夫が長い時間をかけて育まれ、人々の暮らしを支えてきた。




会場には47都道府県から郷土料理を一つずつ選出。料理にまつわる素材や道具などを展示しながら、それらが生まれ伝えられてきた文化的背景を紹介する。また隣接するミュージアムショップでは、出展料理の関連商品や、日本各地の食について深掘りできるアイテムを幅広く販売。さらに同フロアにあるd47食堂では、本展に合わせた特別メニューを提供する。会期中には各界から講師を迎え、メディア、水産、料理道具など多様なテーマでトークイベントやワークショップも多数開催。子どもから大人まで、さまざまな切り口で郷土料理や文化に触れることで、新たな気づきやこれからの食のあり方を考える場となるだろう。


現在開催が決定している関連企画は下記のとおり。
【NIPPON UMAMI TOURISM TALK】於:渋谷ヒカリエ8階COURT、d47食堂
各界から講師を招き、トークイベントやワークショップを開催。
6月15日(土)「風土を伝えるメディアの役割とこれから」
7月5日(金)「海藻食文化日本」
9月8日(日)「郷土料理を道具から考える」
【木桶による発酵サミットin東京2024】於:渋谷ヒカリエ8階COURT
発酵を支える木桶を、次世代へつなげる活動をする生産者や木桶職人が全国から集結する。
7月21日(日)〜22日(月)
【NIPPON UMAMI SHOKUDO】於:渋谷ヒカリエ8階 d47食堂
出展の郷土料理が味わえる特別メニュー「うまみ定食」が展覧会会期限定で月替わりで登場。
4月26日(金)〜6月6日(木)は「うまみ定食 西日本」(翌日からは別メニューに)。
※水曜定休
【d SCHOOLつづくをたべる 食育月間】於:D&DEPARTMENT国内各店舗
「食のロングデザイン」をテーマに、各地でワークショップやツアーが開催される。
6月14日(金)「d SCHOOLわかりやすい大原の紫蘇」
6月15日(土)「d SCHOOLわかりやすい昆布〆〜夏の魚編〜」
6月22日(土)「d SCHOOLわかりやすい波切のかつおぶし」
6月29日(土)「こどもd SCHOOL ほんとうにおいしい出汁」
『NIPPON UMAMI TOURISM
植生と文化をまるごと味わう 風土に還るうまみのデザイン』
開催期間:2024年9月15日(日)まで
開催場所:d47 MUSEUM
東京都渋谷区渋谷2-21-1渋谷ヒカリエ8F
開催時間:12時〜20時(最終入場19時30分)
休館日:6月4日(火)〜5(水)
入場料:ドネーション形式(会場受付)