
「ワインとは、みんなと喜びを共有できるものなのです」。そう語るのは、フランス発のノンアルコール・スパークリングワイン、フレンチ・ブルーム(FRENCH BLOOM)の創業者のひとりマギー・フレールジャン・テタンジェだ。
彼女がフレンチ・ブルームをつくり始めるきっかけは妊娠だった。パーティやディナーの際にワインを飲めないことで、社交場から疎外されたような感覚になったという。実は彼女のように、アルコールを飲めないという人は全体の約20%を占めると言われている。妊娠だけに限らず、体質や体調、健康志向、宗教上の理由など、多様化するライフスタイルによって理由はさまざまだ。同じ悩みを抱える人のためにも彼女は、上質で洗練されたノンアルコール・スパークリングワインをつくるため、長い道のりを歩み始める。
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試行錯誤の末に到達した、上質な味わい


マギーと志をともにしたのが、トップモデルとして世界中を飛び回り、多忙な生活から理想的なヘルシーライフを見つけることに努めてきた、もうひとりの創業者、コンスタンス・ジャブロンスキー。マギーとジャブロンスキーに、マギーの夫で、シャンパーニュやコニャック造りの経験と知識が豊富なロドルフ・フレールジャン・テタンジェもCEOとして加わり、レシピ開発が進められた。
まずは普通のワインからアルコールを抜いてテイスティングを行うことから始めたというが、アルコールを抜くと本来持つ香りの4割ほどとなり、まったく味わいの異なるものになった。彼女たちはアルコールを抜いたあとの香りを逆算し、まずは大袈裟なくらい味わいのあるワインをつくった。ぶどうはラングドック地方から収穫し、オーク樽で発酵。13%→3%、3%→0.5%、0.5%→0.0%と3回のデアルコールのプロセスで段階的に蒸留し、香りや色調、舌触り、余韻の長さにこだわりながら、理想の味を実現させた。
ノンアルコールに加え、もうひとつ特筆すべき点は、亜硫酸塩、保存料、添加糖、人工着色料などを一切含まず、また動物性食品を使用しないオーガニックな原材料でつくられていること。ベジタリアンやビーガンなど、現代のライフスタイルにも寄り添ってくれる。

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ヴィンテージのノンアルコールが誕生!

そして6月下旬には、4年の歳月をかけて研究・開発が行われた、フレンチ・ブルーム初のヴィンテージ「ラ・キュヴェ・ヴィンテージ2022」がリリースされる予定だ。アルコール度数が0%でありながらも、複雑な香りと味わいの構造を備え、これまでのノンアルコールワインにはない、ガストロノミックな味覚体験を提供する。こちらも同様にオーガニックな原材料からつくられており、酸化防止剤、保存料、添加糖、人工着色料は一切使用されていない。少し酸化することが、複雑なワインの味わい実現するための要素になったそうだ。
40年も待たずにヴィンテージワインと同じ味わいを楽しめる「ラ・キュヴェ・ヴィンテージ2022」。グラスを回せば世界中のソムリエが納得する、その香りと味わいをぜひ体感してほしい。