「見られる確率は1%!」エアーズ・ロックが珍しい姿に…全面が滝に覆われる

  • 文:青葉やまと

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オーストラリアのウルル(エアーズ・ロック)で3月下旬、珍しい現象が発生した。乾燥した赤い岩肌で知られる同地に、いくつもの滝が出現。貴重な光景が観光客たちを驚かせた。

ウルルは高さ348m、周囲約9kmに及ぶ巨大な1枚岩だ。平原から突き出した雄大な姿で有名であり、通常であれば降雨の少ない地域に位置する。ところが、3月23日から24日にかけて記録的な大雨に見舞われた結果、頂上部に大量の水が蓄積。数十もの巨大な滝となって側面の岩肌を駆けた。

オーストラリアの「7ニュース」が報じた動画では、ウルルの岩肌全体が水に覆われたまれに見る光景が展開。いくつもの場所で大きな滝が発生し、高所から水流が地面へとたたきつける。激しい水流は大量の水しぶきを撒き、ウルルの赤い岩肌が水煙にかすんでいる。

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わずか1%の観光客だけが目撃

オーストラリアのニュースサイト「news.com.au 」によると、「実際のところ、このような光景を実際に目にすることができるのは、観光客の1%に過ぎない」という。

ウルル・カタジュタ国立公園を管理するパークス・オーストラリアはウェブサイトにて、「大雨の後にみられる、幻想的な色彩と滝を体験できる幸運な人は、ごくわずかです」と説明している。

同サイトはさらに、水分を含むことで単調だった岩肌の色彩が変化し、「乾燥した砂漠が色彩と生命にあふれる」と表現。写真家たちも撮影に訪れるほど豊かなバリエーションを見せるとしている。ウルルの表面が雨水にさらされることで、ワインレッドや美しい銀色、そして黒色といったように、岩の面ごとに異なる複雑な色彩に変化するという。

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予想外の降雨に見舞われて

昨年6月の大雨でも、同様の光景が目撃された。ガーディアン紙オーストラリア版によると、1カ月相当の雨量がわずか数日間で降り注ぎ、岩肌を大量の水が走った。通常であれば6月は乾期に当たるが、予想外の降雨となった。

同紙が公開する動画によると、ふだんなら岩や小石が転がっているだけの乾燥した地面に、つかの間のせせらぎが誕生。急勾配の岩肌には、水路や滝が出現した。

もっとも激しい場所では、幾重にも折り重ねる岩肌を白い筋状となった水が激しく落下している。三段、四段と続く滝を形成し、訪れた観光客たちは雨のなか、貴重な光景に目を奪われたようだ。

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雨の日にだけ見られる動物の特別な行動

パークス・オーストラリアによると、暑さが厳しく雨が貴重なウルルにおいて、降雨時には動物も行動を変える。積極的に捕食をして栄養分を蓄えるほか、繁殖行動も頻繁にみられるようになるという。

珍しい夜行性の動物が水場に顔を見せたり、鳥が水しぶきを上げて体の汚れを落としたりと、降雨時ならではの特別な行動が観察されることが多いようだ。

ウルルの年間平均降水量は300mmであり、東京の1528mmと比較して5分の1程度と非常に乾燥している。さらには年や時期による偏りも大きく、雨のウルルを狙って訪れることは非常に難しい。

さまざまな表情で魅了

ウルルは先住民族・アボリジニの聖地となっている。ほか、観光名所としてオーストラリア内外から人々を惹き寄せる。太陽を受け金色に染まる早朝をはじめ、時間の経過とともに刻々とその姿を変える。

なお、かつてはイギリスの探検家ウィリアム・ゴスによる命名を受け、「エアーズ・ロック」とも呼ばれた。当時の南オーストラリアのヘンリー・エアーズ植民地首相にちなんだ名前であった。

まだ私たちの知らない現象で驚かせてくれるウルル。現地を訪れた際、雨だからといって嘆く必要はなさそうだ。

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【動画】ウルルの岩肌に出現したいくつもの滝

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【動画】昨年6月の大雨でもウルルは別の表情を見せた。