BMWが、従来なかった新しいシリーズ「ノイエクラッセ」を準備中。2023年秋発表で話題を呼んだ「ビジョン・ノイエクラッセ」に次いで、24年3月に「ビジョン・ノイエクラッセX」を公開した。
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ノイエクラッセXは、車名から察せられるとおり、現行のX1にはじまりX7にいたるBMWのSAV(スポーツアクティビティビークル)Xシリーズに連なるもの。じっさいに、ウインドウグラフィクスを含めたプロファイル(側面)は、現行Xシリーズとの類似性が感じられる。
「独自のキャラクターがあって、表面はスムーズサーフェスで、ごちゃごちゃしたラインがなく、縦長というBMW独自のシグネチャーライトのあたらたな解釈で、見た目に強い印象を残すデザインを心がけました」
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BMWグループのデザインヘッドを務めるアドリアン・ファン・ホイドンク氏は、上記のようにデザインの肝要なポイントを説明する。
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私が実車を見たのは、2月のポルトガルだった。カメラもスマートフォンも取り上げられた、厳重な秘密保持体制の下での、お披露目である。
前年にミュンヘンの自動車ショーで見たビジョン・ノイエクラッセ(セダン)はシンプルなデザインという印象だったが、ビジョン・ノイエクラッセXはだいぶ異なる。
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縦長の大きなキドニーグリル、先述のファン・ホイドンク氏の説明にあったようにシグネチャーライトが目立つヘッドランプユニット、さらに、大型のフロントエアダムや、大きく張りだしたフェンダーフレア、とかなりアグレッシブなデザインだ。同時に、ものすごくなめらかボディ表面も斬新だった。
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「意識したのはボディのサイズです」。会場で、BMW本社でビジョン・ノイエクラッセXを担当したデザイナーのマキシミリアン・レッシュ氏は、デザインについて語った。
「市場調査をすると、さいきんのクルマはタンク(戦車)のようだと嫌がるひとがけっこういます。車体の大型化は、衝突安全の規制のために、あるていど避けられないのです。いっぽうで、できるだけ広い車内空間が求められます」
そこで、ノイエクラッセXでは、エレガントさを意識するとともに、アグレッシブな印象を抑え、車内では開放的な印象を作り出すことに努めたそうだ。
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「ノイエクラッセXでは親しみやすさを意識しました。(乗るひとの)心理を考えるのが大事です」
親しみやすさを使いやすさと言い換えるなら、インテリアも注目に値する。車内のデジタライゼーションを充実させ、従来なかった使い勝手や娯楽性を乗員に与えることに熱心なBMW。
最新のX1シリーズやX2シリーズ、それに新型ミニ・カントリーマンや新型ミニ・クーパーでOSを”進化”させてきた。それをさらに先に進めるのが、ノイエクラッセ・シリーズにおけるデジタライゼーション・テクノロジーだ。
BMW iDriveという名称は、2001年の7シリーズで初めて採用されたもの。その名称は継続使用しながら、最新のOS9で円筒式コントローラーを廃止。
ノイエクラッセでは、あたらしい。ウェジェット機能を推し進めて使い勝手を向上させたセンターモニター、ダッシュボードのほぼ端から端まで広がって情報を表示する「パノラマビジョン」そしてドライバーとのコミュニケーションをより強化する「HYPERSONX」(おそらくハイ・パーソン・エックスと読むのでは)ステアリングホイール、というぐあい。
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ダッシュボード全体に、どこぞのスマートスピーカーを連想させるメッシュ素材が貼ってあり、その下からオーディオの音が出てくるし、ドライブモードによって変化するライトが輝くそうだ(未体験)。
BMWでは、「2030年までに販売車両の半数をBEV(バッテリー駆動のピュアEV)にしたい」(オリバー・ツィプセ取締役会会長)としている。いっぽうで、市場によって状況がことなるからと、さまざまなドライブトレインの開発も続けるという。それでも「ノイエクラッセには未来のBMWが詰まっている」そうだ。
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2025年にまずセダンが発売され、以降24カ月のうちに6台のことなるノイエクラッセがラインナップに加わるという。先手を打っておけば必勝、という同社の考えが反映する(であろう)今後の製品群からは、目が離せない気がする。