【Penが選んだ、今月の音楽】
『オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ ジェイムズ・バーンズ:交響曲全集』
吹奏楽の世界では「アルヴァマー序曲」の作曲者としてあまりに有名なアメリカのバーンズ。日本で代表作として挙げられるのは娘を亡くした心情を反映した交響曲第3番だが、第9番まで収録された全集を聴くとまだ知られぬ魅力を孕んだ作曲家であることに気づかされる。特に南北戦争を題材にした第7番「交響的葬送曲」とドイツの都市に捧げられた第8番「ヴァンゲンのための交響曲」は吹奏楽ならではのサウンドが追求された文句なしの傑作。作曲者の信頼厚いポール・ポピエルの指揮で真価が味わえるライブ盤だ。
※この記事はPen 2024年4月号より再編集した記事です。