偉大な功績はスキャンダルもかき消すほど? サッカー界の至宝ベッケンバウアーが死去

  • 文:河内秀子

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MUNICH ミュンヘン/ドイツ

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現役時代は「引退したらサッカーには携わらない」と断言していたが、代表監督やW杯組織委員長などを歴任した。 (C)ph.FAB/Shutterstock.com

年明けのドイツ、特にミュンヘンは、フランツ・ベッケンバウアー死去のニュースで一色となった。ドイツ史上最強のサッカー選手としてバイエルン・ミュンヘンなどで活躍し、「カイザー(皇帝)」と崇められただけあって、葬儀には監督として1990年にW杯優勝を果たした時の選手をはじめ、現役の首相や大統領も参列した。

DFが攻撃に関わる「リベロ」というシステムを考案したり、70年のW杯では肩を脱臼してもゴールを決めドイツ中を熱狂の渦に巻き込んだりと、その功績は枚挙にいとまがない。2006年のドイツW杯における献金疑惑というスキャンダルにも見舞われたが、最終的には多くの国民に愛されたことが改めて示された。

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バイエルンのホームスタジアムでの葬儀の様子。享年78歳。選手として監督として、バイエルンの顔であり続けた。(C)Daniel Kopatsch

※この記事はPen 2024年4月号より再編集した記事です。