“世界一”のバーテンダーが薦める、味わい深くフルーティなシングルモルト【プロの自腹酒 vol.16】

  • 文:西田嘉孝
  • 写真:榊 水麗
  • イラスト:阿部伸二
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ザ・グレンリベット蒸留所/ザ・グレンリベット 12年

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稀代のウイスキーメーカーとして後世に名を残すジョージ・スミスが創設し、1824年には英国政府第一号蒸留所となったザ・グレンリベット。バニラやハチミツのような甘さや豊潤な果実を思わせるフレーバーが特長の「ザ・グレンリベット 12年」は、同蒸留所のフラッグシップであり、シングルモルトの原点ともいうべき一本。700㎖ ¥7,502(実勢価格)/ペルノ・リカール・ジャパン www.theglenlivet.jp ※実勢価格は編集部調べ

2016年に開催された国際バーテンダー協会主催のカクテル世界大会で総合優勝を果たし、日本人2人目となる「ワールド・バーテンダー・オブ・ザ・イヤー」の称号を獲得した坪倉健児さん。京都で営むバーロッキングチェアには、そんな坪倉さんのカクテルを求めて国内外から多くの酒好きたちが来店する。

仕事が終わって自宅に帰り、軽く食事をした後になにかをつまみながらウイスキーを1、2杯。それが“名手”の日々のルーティンだ。

「ロックやソーダ割りなど飲み方を選ばず、いろいろなおつまみにも合わせやすい。バーで飲むウイスキーにも特別なものがありますが、自宅でリラックスしたい時にもウイスキーはぴったりなお酒だと思います」

そう話す坪倉さんが選ぶ“自腹酒”が、「ザ・グレンリベット 12年」。数多くの蒸留所がひしめき、スコッチの聖地とも称されるスコットランド北部のスペイサイドエリアを代表する佳酒として、世界中で愛されるシングルモルトだ。

「果実香があるのでフルーツとの相性もよく、大好きな桃のシーズンには、『ザ・グレンリベット12年』のロックにカットした桃を漬けながら食べるのが楽しみ。他にもチョコレートなどのスイーツやナッツ類とのペアリングなど、いろいろな楽しみ方ができるところも気に入っています」

趣味のキャンプでは焚き火を見ながら、「ザ・グレンリベット 12年」をゆったりと楽しむのも、多忙な坪倉さんにとっては大切な時間だ。

「好きなことをしながら過ごす時間を、より豊かにしてくれる。それもおいしいウイスキーの魅力でしょうね」と、坪倉さん。さまざまな“つまみ”との相乗効果だけでなく、ともに過ごす時間を特別なものにしてくれる名バーテンダーの自腹酒。ウイスキー好きならずとも、ぜひトライしてほしい一本だ。

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酒の香味を引き出す、チョコとナッツ

坪倉さんの定番の“おとも”が、好物のマカダミアンナッツやチョコレート。手近にあるもので絶品のペアリングが楽しめるのも、複雑な香味をもつザ・グレンリベットならではだ。

坪倉健児

1974年、京都府生まれ。東京の「ガスライト」や京都の「K6」でバーテンダーとして研鑽を重ね、2009年に京町屋を改装した自身のバーを開店。

バーロッキングチェア

住所:京都市下京区御幸町通仏光寺下る橘町434-2
TEL:075-496-8679

※この記事はPen 2024年3月号より再編集した記事です。