アメリカの住宅街で飼われていたハスキー犬が、ガス漏れと大爆発の危機から近隣一帯を救った。
普段はおとなしい4歳オスのハスキー犬・コービーだが、突然大きな穴を掘り始めた。飼い主が姿を見せたときにだけ、盛んに庭の土を掘り返す。当初はイタズラかとも思った飼い主の女性のベルさんだが、その真剣な様子にやがて違和感を覚えた。
よく考えてみればふだんのコービーは、庭の芝生を荒らして穴を掘り進めるようなやんちゃな性格ではない。必死に土を掻き続けるその姿は、まるで何かのメッセージを伝えようとしているかのようだ。
ベルさんは、全米日刊紙のUSAトゥデイの取材に対し、「新しい家に来てしばらく経ちますが、私がいないと穴を掘らないのです。きっと何かあると思いました」と振り返る。
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どんどん穴は広がっていき…
そうしている間にもコービーが掘った穴は、次第に大きくなってゆく。ふと思い立ったベルさんは、ガス検知器を使ってみることにした。ベルさんの家では昨年12月、古いヒーターからガス漏れが起きている疑いがあり、小型の検知器を購入していた。
幸いにも検知器はまだ手元に保管してあったため、これを試してみることにした。長いコードの先端に設けられた端子を穴に差し込むと、メーターは跳ね上がった。穴の付近の地中から、ガスが漏れ出ていたのだ。
あわてたベルさんは、地域のガス当局に通報。直ちに、ガス作業の現場監督と作業員が派遣された。現場をひととおり検査した作業員たちは、ガス漏れが危険なレベルに達していると判断。緊急で補修工事を行い、大事に至る前にガス漏れは収まったという。
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近所のあちこちでガス漏れが
コービーが救ったのは、コービー自身の命と飼い主の家庭だけではなかった。米ピープル誌は、これを機に近隣を調査したところ、大規模なガス漏れが一帯で計3カ所発見されたと報じている。
応援の作業員が現場に急行し、新しい配管を敷設。3日以上をかけ、何とかガス漏れは止まった。作業員たちは、コービーの本能的な警戒心の深さに驚いたという。現場の検査を終えた作業員はベルさんに、放置すれば「電気を点けるだけで家全体が吹き飛ぶおそれがあった」と告げた。
ベルさんが「何かおかしい」と感じることができたのは、ふだんのコービーの行儀の良さあってのことだ。イギリスのニュースメディアであるSWNSに、「彼（コービー）の行動に異変を感じることができたのは、普段のそれと異なっていたためです」と語る。「彼は素晴らしい分別があります。私が穴を掘るのを手伝うときでない限り、決して自分から穴を掘るようなことはしない子です」
爆発以外にも潜んでいた危険性
USAトゥデイはこの一件を、「4歳ハスキー犬のコービーが庭に大きな穴を掘り始めたとき、飼い主のチャネル・ベルは、この犬が自分の家とフィラデルフィアの近隣全体を救うことになるとは思いもしなかった」と報道。飼い主だけでなく、近所一帯の住民を危険から守ったと報じている。
同紙はガス漏れの発見が「骨の髄まで凍りつく」ような出来事だったと述べ、「近隣に壊滅的な打撃を与えかねない大規模なガス漏れを検知した」とコービーのお手柄を強調した。
作業員たちはベルさんに、仮にガスの漏出が続いていた場合、爆発以外にも重篤な症状を引き起こしていたおそれがあると告げた。「呼吸器の障害や脳へのダメージ、さらには死といった深刻な健康被害を引き起こす可能性があると言われました」とベルさんはUSAトゥデイ紙に語っている。
「いい子だね！」コービーに相次ぐ賛辞
ベルさんは、「コービーが我々のブロックを救ってくれたと思うと、素晴らしい気分です。彼がいてくれて本当に助かりました」と語る。
英SWNSがこの件を動画で報じると、コメント欄にはコービーへの賛辞が寄せられた。
「人類のそばに犬がいてくれてよかった。ありったけの愛情を注いで世話をしてあげたい。犬たちにはその価値があるよ」
「コービーはきっと一生分のおやつを手に入れたね！」
「すごい！ こんなに素晴らしい犬がいることに感謝」
「雇ってくれる職場がどこかにあるはず」
「いい子だね、コービー。何人の命を救ったかわからない」
わずかな異臭に気づき人間に伝えようとしたハスキー犬と、ただのやんちゃな行動だと軽視しなかった人間により実現した、見事な連係プレーとなった。
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Hero Husky Dog 'Saved Our Block' After Detecting Gas Leak That Could've Led to an 'Explosion' https://t.co/UtAIiVexsa
— People (@people) January 8, 2024
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