“漂泊の俳人”山頭火の人生を、パンクな作家・町田康が読み解く

  • 文:瀧 晴巳(フリーライター)
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【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】
『入門 山頭火』

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町田 康 著 春陽堂書店 ¥2,200

このまま銭勘定だけで一生終わってはヤバい。そんな焦燥を感じたことがあるのなら、種田山頭火の生きざまは他人事ではない。生家は没落。母親は自殺。37歳にして妻子を置き去りにして熊本から上京。俳句こそ人間探求の道と志高くドロップアウトしたものの酒に溺れ、女に惑う。「分け入っても分け入っても青い山」。漂泊の俳人・種田山頭火の人生を町田康が読み解く。自由律俳句とパンクな作家の絶妙な顔合わせ。「このままじゃヤバイ」を実行したその先になにがあるのか。ゾクゾクする語り口で教えてくれる。

※この記事はPen 2024年3月号より再編集した記事です。