勝手に胸元を加工される…オーストラリアの州議員がメディアを批判「こんなことありえません」

  • 文:大村朱里

Share:

 

ジョージー・パーセルさん。 本人Instagramより。

 

オーストラリアのあるメディアが女性議員の写真を無断で画像加工。彼女の胸やお腹を露出するように編集したとされ、大きな批判に晒されている。

同じ画像、比較すると...

ビクトリア州選出の下院議員ジョージー・パーセルさんは1月上旬、自身のSNSに「私は堪えなければなりませんでした」という文言を乗せ、ある二つの画像を投稿。それは白い服を着たジョージーさんが写された一枚の写真とメルボルンを拠点とするニュースメディア「Nine New」が同写真を使用したテレビ画像だった。ふたつの画像を見比べると、Nine Newが使用した写真はオリジナルよりもお腹を露出する服装にされており、胸が大きく画像加工されていることがわかる。

CBSによると、この写真は2023年に撮影されたもの。パーセルさんは何か違和感を感じてオリジナルの画像と比較したときに、この画像が編集されていることに気づいたという。彼女はこの事件に対して、初当選以来 "最悪 "の一日を過ごしたとGuardian Australiaに語った。

「メディアに自分の体や衣装をフォトショップで加工されるなんて今まで考えもしませんでした。政治家が仕事上で何か問題が起きることは稀なことではありません。ですが、昨日は今まででも最悪な日でした」

---fadeinPager---

Photoshopの自動化のせい?

この批判を受け、同番組のニュース・ディレクター、ヒュー・ネイロンさんは後日、この加工について "グラフィック・エラー ”によるものでPhotoshopによる自動化のせいだと説明し謝罪。

「私たちのグラフィック部門は彼女の記事で使用するために、ジョージーさんのオンライン画像を入手しました。よくあることですが、画像は私たちが使用する画像サイズに合わせるためにリサイズされました」

さらに「その過程でPhotoshopによる自動化によって、オリジナルとは異なる画像が作成されました。これは私たちの高い編集基準を満たしていないために起こったもので、パーセルさんには深くお詫び申し上げます」と続けた。

しかしこの発言に、メルボルンを拠点とするフォトショップ講師のデイビッド・ユーイングさんは写真の編集は「偶然ではない」と反論。

「この声明には、Photoshopが自動的に行ったと記載されているが、このアプリは何をすべきかを指示される必要があります。つまりその服をはじめにどのように加工して欲しいかいうまでは、全てをphotoshopが自動的にすることはできない」と彼はGuardian Australiaに語った。

パーセルさんから若い女性へのメッセージ

パーセルさんはこの事件は政治に携わる女性が直面する差別と障壁のひとつの例だと続け、現代の性別格差の問題をもう一度定義した。

「はっきりさせましょう。これは私の男性同僚に起こることではありません。この事件は、ビクトリア州全体の若い女性や少女たちに、たとえその分野のトップであっても、あなたの身体はいつだって手に取るようにわかるというメッセージを送っているのです」

さらに「公職に就き、地域社会を代表し、毎日公の場にいる女性ならなおさらです。特に若い女性へのメッセージです、女性たちが日々目にする歪んだイメージについて考えましょう」と続けた。

---fadeinPager---

右が元の写真。左が加工された写真。確かにお腹が露出するよう変更されている。

---fadeinPager---

胸元を加工された議員のコメント投稿。