毎シーズン欠かさず展示会に足を運ぶブランドがある。HYKE(ハイク)がそのひとつだ。馴染みのスタッフたちに会い、男女のデザイナーデュオと顔を合わせコレクションの舞台裏を直接聞けるのをいつも楽しみにしている。約半年前の2024年春夏展示会を訪れたとき、もっともワクワクさせられたのが再びザ・ノース・フェイスとタッグを組んだビッグニュース。18年春の初コラボにはじまり、19年秋の4シーズンで終了した両者のコラボアイテムは、発売日に店に並んでも買えないほどの人気を呼んだ。いまでも古着市場で高値がつくプレミアコレクションである。
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HYKEは真にデザインとクオリティで勝負するブランド。有名人がつくった、セレブが着たといった煽りとは距離を置く。だからこそアパレル関係者などの服好きに愛される。今回のザ・ノース・フェイスとのコレクションは、クリエイティブな彼ららしく前回とは発想を転換してきた。前回が「アウトドア機能を取り入れた街着」なら、今回は「街着になるトレイルランウェア」。ベースにした考え方が異なる。初見して明らかに感じた違いは、両者のロゴマークが目立つ配置になったこと。アウトドアでの視認性のよさを考慮した結果だろう。さらに機能面も確実にアップされている。ゴアテックスなどの本格素材使いは前回と同様だが、ドリンクホルダーを収めやすいポケット、手を入れやすいファスナー形状といった工夫が強化されている。リュックの機能を持つコンパクトなベストのような、走りに特化したアイテムをラインアップに加えているのも新しい特徴だ。色はグレー系とカーキ系の2タイプが用意されている。
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デザイナーデュオのひとり、大出由紀子は趣味でアウトドアアクティビティを謳歌しているそうだ。一方の吉原秀明も1970年代の古典的アウトドア古着から現代のハイテクウェアまで研究に余念がない。以前に大出さんから「自分たちだけでスポーツウェアをつくるのはとてもたいへん。素材も縫製も、通常のアパレルとまったく違うから」と聞いたことがある。このたびのコレクションのように完成度の高い「モード×スポーツ」を生み出すのには、ザ・ノース・フェイスのようなその道のプロフェッショナルとの協業が欠かせないのだろう。
TNFH THE NORTH FACE × HYKE(ティーエヌ エフ エイチ ザ ノース フェイス ハイク)」と名付けられたコラボコレクションの発売は、2月22日(木)11時より「ザ・ノース・フェイス スフィア」及び、特設ECサイト(ゴールドウイン、HYKE)にて。実店舗での販売はスフィアのみで、店舗来店抽選応募のウェブサイトも用意されている。常にトレンド感がありつつも、スタイリッシュな印象のまま長年着続けられるHYKE。彼らのスピリットをこの機会に味わってみるのも一興だろう。
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【画像】HYKEがザ・ノース・フェイスとつくった本格トレイルランウェアが2月22日にリリース!
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ファッションレポーター/フォトグラファー
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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