ONE OK ROCKのTakaが共同プロデュースするオーガニックスーパーが、東京・表参道にオープン

  • 文:Pen編集部
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ONE OK ROCKのTakaと恩地佑亜は、ともに1988年生まれの同級生。

2024年3月3日、ONE OK ROCKのTakaが、同い年の実業家であり友人の恩地佑亜と共同プロデュースするオーガニックスーパー、15/e organic (フィフティーンオーガニック)をオープンする。

取り扱う商品は、すべての過程で自然栽培で育てられた食品と、100%天然由来のサプリやコスメのみ。「免疫力向上」を課題に独自の基準で15個の“e”を掲げ、全ての条件を満たしたものだけを厳選。食品に関しては、種子洗浄の有無や使用している肥料の種類に至るまで、すべて共同プロデューサーであるふたりが明確にしたものしか取り扱わないという徹底ぶりだ。

週末に休むように、身体にも休日をつくってあげてほしい

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スタッフの中には、家族や身近な人の病気をきっかけに栄養士や管理栄養士を志した人も。「単に資格保持者ということではなく、そういう明確な想いのある方って『人にいいものを食べてもらいたい』という熱量が全然違うんです」と恩地。

オーガニックスーパーに関わるスタッフは、なんと全員栄養士または管理栄養士。希望すれば、ひとりひとりの体調に合わせたレシピの提案など、オープンブースでカウンセリングを受けることもできる。

このユニークなサービスのきっかけは、Taka自身が世界を行き来する長いミュージシャン生活をする中で感じた経験がきっかけになっているという。

「海外ツアーでは、1カ月半くらいバスでずっと移動するので、食べる料理も毎回和食というわけにもいかないんですね。僕は遅延型アレルギーなので、疲れている時に卵や乳製品を食べると、扁桃腺が腫れて100%のパフォーマンスができない。体力の衰えもあると思うのですが、この不調がどこから来てるのか追求した時に、やっぱり口に入れるものだ、というところに辿り着きました。常に身体を労ることは難しいですが、平日無理をしたら残りの土日があるように、身体にも土日をつくってあげる。そういう感じで、この店を日々の小さな身体の悩みの相談が気軽にできる場所にしたいです」」

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既存のルールに頼らず、自分たちで仕組みをつくっていく

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フィフティーンオーガニックオリジナルのヘアケアセット。全成分が天然・植物性由来100%。応援購入サービスMakuakeで先行発売中だ。

フィフティーンオーガニックのプロジェクトは、構想からオープンに至るまで3年の月日を要した。特にふたりが苦労したのが、お店の看板商品のひとつ、100%自然由来のシャンプーの開発だったという。

「きっかけは、食べても大丈夫なくらいの100%自然由来のシャンプーをつくろう、という話から始まったんですが、まずつくってくれる会社がなかった。『つくること自体が無理』、試作している過程でも『いまからでもやめた方がいい』と工場の方たちからも言われました。でも、何度も試行錯誤しながらみんなで取り組んでいたら、2年半もかかってしまいましたが、条件を満たした100%納得のいくものができた。まずはみなさんに使ってもらって、色々アップデートしていきたいです」と恩地。

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自然栽培の野菜を使ったスムージー。店内のデリは、今後さまざまなラインアップを展開予定だ。

このように、プロジェクトを始めた当初はシャンプーの製作に限らず、完全自然栽培に特化したオーガニックスーパーなど実現不可能と、業界からの風当たりが厳しかった。しかし最近では、こうしたふたりの働きかけが功を奏し、自然栽培を行う農家のあいだで話題となり、プロジェクトに参加したいという申し出も増えてきているという。

「本当に自分たちがやろうとしてることはロングプロジェクトなので、僕らもこの取り組みを通して一緒に成長して勉強していかないといけない。いまの時代は、外側をきれいにするパッケージを意識しすぎたやり方があまりにも多い。 僕らの考えは、あえて真逆をいく。自分たちの本質を確かめながら内側から外側へと広がるようなクリエイションをしたい。食のことだったり、国や誰かがトップダウンできめたルールの下ではなくて、自分たちが新しく決めたルールで自分たちなりにいいものを発信していきたい」と、このプロジェクトについてTakaは語る。

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デリは、グルメなTakaシェフが最終チェック?

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全国から厳選した自然栽培の食材を使ったおにぎりや具だくさんの味噌汁、スムージーなど、バリエーション豊かなメニューが揃う。

お店に足を運んだらぜひ味わってほしいのが、自然栽培の野菜を使ったデリ。Taka たちが、栄養士のスタッフと考案したレシピを採用。飲食店に住み込みで働いた経験を持つなど、美食家で料理の腕も評判の高いTakaがこだわるデリは健康的なレシピだが、しっかり素材の味を引き出していて、食べ応えも抜群だ。

味のこだわりについて尋ねると、「言い方が悪いんですけど僕は薄味が好きで、彼は濃い味が好きなので(笑)。バランスはすごくいいかなと。間をとってちょうどいい、おいしいものができていると思います」と語るTaka。

「グルメなTakaが最終チェックしたものをお店に出しているので、おいしいです!」と恩地も笑顔で語る。

オーガニックスーパーに留まらないプロジェクトの展望

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店舗は、ふたりの趣味である散歩中に見つけた、ポツンと佇む古い空き家を改装した。「もとのよさを活かしながら内から外へパッケージしていく」という店のコンセプトにもぴったりだと即決。

構想から約3年、ようやくオープンするフィフティーンオーガニックだが、ふたりはこの「ロングプロジェクト」について、もうすでに先の先まで考えているようだ。

「みんながちゃんと安心して手に取れるような野菜が日本全国で育つということが、僕らの中で最終的な目標。それをやり遂げた後は、またおそらく違うプロジェクト、 何か手を伸ばすかもしれない」とTaka。

「いろいろな農家さんのもとへ伺いましたが、『自分たちは農薬のついていないものを食べるのに、農薬を使った野菜を商品として出荷する。この慣行栽培に疑問を抱き悩んだ末、自然栽培に移行した農家さんがとても多かった。でも、自然栽培の売価が高いのでなかなかそこに踏み切ることは難しい。たとえばこの先、僕たちが土地を買って、スタッフを増やして、いま協力している農家さんたちに教えてもらって……ということをしてどんどん広めたい。自然栽培の食材を手に入りやすい価格にできるように、僕たちも農家さんをもっと支援したいです」と、恩地。

自身の体験をもとにした、ふたりの熱い想いが詰まったフィフティーンオーガニックのプロジェクト。ぜひお店に足を運び、ひとつひとつにストーリーがある商品を手に取ってみてほしい。

15/e organic 表参道店

東京都渋谷区神宮前5丁目42−1
Instagram @15e_organic