長時間“座る”ことは病気のリスクを高める行為…48万人を対象とした研究で判明、対策はあるのか?

  • 文:佐藤まきこ
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写真はイメージ(Suhtter Stock)

たばこを吸うと、がん、脳卒中、狭心症、心筋梗塞など、さまざまな病気のリスクが高まることがよく知られている。だが、それと同じように病気のリスクを上げる行為がある。それが「座る」ことだ。

心血管疾患による死亡リスクは34%増加

これは台湾の研究チームが発表した結果で明らかになったものだ。48万1688人について、仕事の内容や身体活動、どのくらい着席しているのかといったライフスタイルに関するデータを収集。また、性別、年齢、BMI、喫煙の有無、飲酒状況なども調査し、20年にわたり、その健康状態を追跡した。

その結果、長時間椅子に座っている生活の人は、あらゆる原因による死亡のリスクが16%上がっていることがわかったのだ。また、心血管疾患による死亡リスクは34%も増加。この研究期間中に心血管疾患で亡くなった人は5371人で、このうち約60%の3234人は主に座っている生活だったという。座っている時間が長いことで、早期死亡のリスクが高まることが明らかとなったのだ。

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デスクワーク中心の生活における対策は?

これまでも、長時間座った状態で仕事することは健康への悪影響があることが指摘されてきた。だが、オフィスでPCを使うことが当たり前の現代では、長時間座らざるを得ない人はとても多いだろう。では、そのような人々はどう対処したらいいのだろうか。

今回の研究結果では、死亡や心臓病になるリスクの増加は、1日15分から30分の激しい運動で相殺できる可能性があることもわかった。定期的に休憩をとって体を動かすこともいいようだ。スタンディングデスクでの仕事や、頻繁に休憩をとることも有効だという。

今回の研究を行った著者は、「職場で座ったり立ったりを繰り返す人は、健康上のリスクは増加していない。この事実は、職場において定期的な休憩をはさむことがいかに有益であるかを示している」と述べている。

座って仕事することが多い人は、定期的に休憩をとって体を動かすか、運動する時間を意識的に設ける必要がありそうだ。

【出典】
https://www.dailymail.co.uk/wellness-us/article-12983565/sitting-harms-risk-early-death.html