櫻井翔の「言葉」にフォーカスした展覧会『櫻井翔 未来への言葉展 PLAYFUL! 』が東京・立川の「絵とことば」がテーマの美術館PLAY! MUSEUMで4月14日まで開催中だ。本展は、2023年4~5月に六本木ミュージアムで開催された『櫻井翔 未来への言葉展 SHO SAKURAI:WORDS FOR THE FUTURE 』に新たなコンテンツを加えたものだ。
2008年から連載中のブログ全244本から15本を展示する「オトノハ」、Newsweek日本版(2021年12月14日号/21日号)に掲載された特集『櫻井翔と戦争の記憶』を資料写真とともに展示する「NO MORE WAR」、東日本大震災の被災地をたずね取材を重ねてきた記録をたどる「来年も再来年も」、櫻井が作詞したリリックを櫻井の声で浴びるように聞く「サクラップサウナ」、櫻井が身の回りの話をもとに書き下ろした文章とアーティスト・AYAKA FUKANOのイラストで構成される“絵と言葉の本”が巨大な絵本型のスクリーンに投影される「ありがとうの交換。的な。」も六本木展に引き続き、展示されている。
また「SHO ROOM」と名付けられたスペースにはオリンピックや報道番組での取材メモやプレスパス、ラップ詞を書きためたノート、「オトノハ」をしたためてきた歴代のガラケー、そして、ラップ詞を書くきっかけとなった私物も展示され、櫻井の言葉の源泉を目の当たりにする。
新たに加わったコンテンツの中で特に存在感を放っていたのが「ことば工場」だ。櫻井が紡いできた言葉の断片が書かれた「ことば工場カード」のQRコードをマシンにかざし、一定数の言葉が溜まると、マシンから櫻井の声で反応がある。そして、ラップが始まるのだ。その後、櫻井の声で参加者に問いかけられるなど、櫻井と言葉のキャッチボールをしているような感覚に陥る。大人から子どもまで無邪気に楽しむことができるであろう「PLAYFUL!」な作品だ。
「ありがとうの交換。的な。」のメイキング絵巻も新たなコンテンツだ。なぜ、自身にとって初めての絵と言葉の本のコラボレーションの相手がAYAKA FUKANOだったのか。両者の「伝える」ための背景や動機のシンクロ具合がわかりやすく人懐っこい絵と言葉で描かれている。
他にも、「あ」から「ん」まで櫻井が好きなものを45個並べ、それにイラストレーターのクリハラタカシがイラストを付けた「すきのあいうえお」や、主に「オトノハ」から抜粋されたストーリーにイラストレーターの秦直也が動物の挿絵を付けた「僕です。」が初展示されており、櫻井が放つ言葉と絵がコラボレーションすることで、より立体的に櫻井の言葉やチョイスを楽しむことができる。
櫻井の言葉に絵や音や映像が加わることで、その言葉はより多面的になり、聴き手がすっと入り込める余白が増すような印象を受けた。展示された言葉をどう感じるかは受け手次第。櫻井が放った言葉がクリエイターの表現と合わさった上で受け手に届き、そこからまた想いや感性が葉っぱのようにぐんぐん育っていく。それは、私たちの普段のコミュニケーションにも近い。言葉を思い浮かべたり、発することで、何かが生み出され、育っていく。言葉の存在意義を改めて感じられる上に、本展を開催したことで櫻井にとっての言葉の意味はさらに増幅し、今後どんな言葉を届けてくれるのだろうと期待が膨らむ、まさに「未来への言葉展」だ。
『櫻井翔 未来への言葉展 PLAYFUL!』
開催期間:2024年1月18日(木)~4月14日(日) ※2月4日(日)は休館
開催場所:プレイ ミュージアム(PLAY! MUSEUM)
東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3 2F
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