「中身がパッケージと違う」人気チョコレートが消費者から訴えられる…支払い請求額は驚きの7億4000万円

  • 文:山川真智子
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「見た目がパッケージに描かれたものと違う…」。こんな理由で、アメリカの人気チョコレート、リーシズ・ピーナッツバター・チョコレートを買った女性が、製造するハーシーズ社を相手取り、500万ドル(約7億4000万円)を求める訴訟を起こした。またしてもアメリカンなトンデモ訴訟と思いきや、実際のパッケージと中身の落差は確かに納得できないレベルだった。

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知ってたら買わなかった!消費者が不快感を表明

CBSニュースによれば、フロリダ州に住むシンシア・ケリーさんは、昨年10月下旬にリーシズ・ピーナッツバター・パンプキンズというハロウィンがテーマの商品を1袋4.49ドル(約665円)で購入した。商品パッケージに描かれたパンプキン型のお菓子には口と目が彫られており、ケリーさんは実際の商品も、当然パッケージ同様のかわいいデザインだと信じていたという。しかし、実物にはなにも施されていなかった。

パッケージの絵と本物のギャップに当惑したケリーさんは、ハーシーズ社が“虚偽で欺瞞的な広告”で購入者を惑わせたとし、500万ドルの集団訴訟を起こした。原告団は、商品の中身がパッケージの絵と違っていると知っていたなら、購入しなかっただろうとしている。

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手抜きなのか? 他の商品にも疑惑続々

リーシズ・ピーナッツバター・チョコレートのオリジナルは、ピーナツバターを詰めたカップ型のチョコレートだが、様々なバージョンが存在。ゴースト、コウモリ、フットボール、雪だるま、ベル型などテーマ別に商品が作られている。

ところがケリーさんらの申し立てでは、これらのいくつかの商品についても、パッケージと実際の商品とのギャップが言及されている。目があるはずのコウモリがパンプキン同様にのっぺらぼうだったり、縫い目が施されたフットボールがほとんど卵と同じ見た目だったりと、ハーシーズ社の雑な仕事ぶりが指摘されている。

ソーシャルメディアでも、こういった指摘はケリーさんが訴訟を起こす前から、コメント欄にたくさん書き込まれており、不満を感じる人は多かったようだ。

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セールスアップのためか? パッケージだけ変えていた…

USAトゥデイ紙によればパッケージは常に「虚偽的」だったわけではなく、2~3年前までは絵と実際の商品は一致していたと申し立てのなかで主張されている。ビジネス・インサイダー誌は、セールスと利益を増やすため、ハーシーズ社が3年前からパッケージを変えたという見方が示されているとしている。ここまで聞くとケリーさんの訴えに一理あると思えるが、ハーシーズ側はメディアの要請に対しコメントを控えている。

ちなみに、昨年誤解を招く広告等で訴えられた企業はほかにもある。ビジネス・インサイダー誌によれば、ある男性が外食チェーンの「骨なしチキンウィング」がほぼチキンナゲットだと訴えていた。この男性はマウスウォッシュ、グラノーラ、ポリ袋などを作る企業の宣伝文句も誤解を招くと訴えており、訴訟大国ならではのトンデモ訴訟はまだまだ健在のようだ。

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問題の商品。確かにパッケージで描かれてている「顔」が中のチョコレートにはない。

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フットボール柄じゃないと息子ががっかりしたという投稿。

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企業側が公式SNSが投稿したチョコレートにも、しっかり顔がある。

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虚偽に怒る消費者による動画。

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以前から、SNS投稿に「パッケージと違う」というコメントが付いていた。

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2017年に当時のツイッターに投稿されていたパンプキン商品の画像。このときはパッケージのお菓子に目や口は描かれていない。

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