“1カ月だけでも禁酒”を行う効果とは? 多大な健康メリットで年末年始を経てトレンドに

  • 文:山川真智子

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Pormezz-Shutterstock

 「お休みだし、とにかく飲んじゃった」という人も多い年末年始。欧米でもクリスマスのホリデーシーズンにはパーティや家族の集まりが続き、アルコールの消費量が激増する。そんな毎日グイグイ飲む期間を終え、多くの人々が挑戦するのが「ドライ・ジャニュアリー(禁酒の1月)」だ。お酒を1か月飲まないだけでも、いくつもの健康効果が得られるということで、この時期のトレンドとなっている。

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1月だけでも禁酒をする人が増加

ホリデーシーズンの終わった 1月を禁酒の月とする「ドライ・ジャニュアリー」は、お酒が引き起こす社会的な害を減らそうと、アルコール・チェンジ・UKというイギリスの団体によって、2013年に正式に開始された。タイム誌によれば、2023年には少なくとも17万5000人がこの団体のウェブサイト上で参加を誓約。アメリカでも成人の15%が1月は飲酒をやめると誓っていた。

米CBSニュースによれば、今年はアメリカでお酒を飲む人の3分の1近くが、ドライ・ジャニュアリーを行う可能性が非常に高いという、世論調査の結果が出ている。

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短期間でも効果あり! 禁酒のメリットとは

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Gorodenkoff-Shutterstock

ドライ・ジャニュアリーのメリットだが、英大学の調査では、参加した人のうち71%がよく眠れるようになったとし、67%がより活力を感じられるようになったと回答した。また、半数以上に体重の減少が見られ、54%が肌の調子が良くなったとしている。さらに88%が飲酒をやめてお金が節約できたと答えており、経済的メリットも確認された。

依存症精神科医シェリア・スペッカー氏は、アルコールは抑うつ剤であるため、飲酒をやめれば気分や不安が改善するのは理にかなっていると指摘。さらに、アルコールは血圧や血糖値にも影響するとし、たった1か月の禁酒でも、体重と同様に改善をもたらすとCBSニュースに説明する。ただし、健康上のメリットは、その人の飲酒の量と頻度によって異なるということだ。アルコール依存症レベルの人は、禁断症状が出て禁酒が逆効果になる可能性もあるので注意が必要だという。

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お酒との付き合い方を見直す機会…ただしうまくいかない人も

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fizkes-Shutterstock

ドライ・ジャニュアリーの本当のメリットは、「体をリセットし、自分の生活におけるアルコールの役割を吟味する機会になること」だと、スペッカー氏は述べる。長期の研究では、ドライ・ジャニュアリーを行った人は年間を通じてアルコールの摂取量が少なくなる傾向で、意識の改革につながっているようだ。

もっとも、お酒好きの人が1か月禁酒をするのはかなり困難なのは事実で、ソーシャルメディアでは早くも堂々とあきらめた人の映像などが投稿され、笑いを誘っている。

残念なことに、タイム誌によれば、1か月間禁酒をしても、カジュアル飲酒者のアルコール消費量は全体的に減らないことが示されたという。さらに、ドライ・ジャニュアリーに参加することを次の1年の過剰な飲酒の免罪符にしてしまう場合も報告されており、効果に懐疑的な見方もある。

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ドライ・ジャニュアリー用にノンアル飲料の宣伝も活発に。

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ケイティ・ペリーも、以前から自身が手掛けるノンアル飲料をドライ・ジャニュアリーでプッシュ。

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サッカーの試合に行くために、禁酒が終了してしまった人。

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@taymoskowitz

Maybe next year

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1月1日時点でやってられないと早くも離脱する動画。

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@jlo DELOLA #CantGetEnough #fyp #nonononono #idontevendrink #imokay #boricua #justforfun #nyc #bronx #trendingtiktok #newmusic ♬ Can't Get Enough - Jennifer Lopez

 

やめて、注がないで~、と思いきや…。