タンゴの革命児ピアソラ作品に、クラシックの要素を取り入れたカバー

  • 文:小室敬幸(音楽ライター)
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【Penが選んだ、今月の音楽】
『アピアソラード』

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ディエゴ・スキッシ・キンテート ディスクユニオン UNCD-079 ¥2,750

いまやクラシックの演奏家にとっても定番レパートリーとなったタンゴの革命児ピアソラ。タンゴの世界ではピアソラをオリジナルのまま受け継ぐ場合と編曲を加える場合に分かれるが、後者の最高峰になりそうなのが本盤。アルゼンチンのピアニスト、スキッシはジャズ出身だが現在はピアソラの革命精神を受け継ぐタンゴミュージシャンの筆頭格だ。そんな彼がクラシックの要素も取り入れて初めてピアソラをカバーし、期待値を軽々と超えてきた。ムード音楽ではないタンゴの尖った可能性を堪能すべし。

※この記事はPen 2024年2月号より再編集した記事です。