アメリカ政府はUFOをなぜ秘密にしたい? 一転してUFOの記録公開の縮小法案を可決

  • 文:美矢川ゆき

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Marko Aliaksandr-Shutterstock

アメリカの宇宙機関NASAが、未確認異常現象についての透明性を高めると約束してからわずか数カ月。アメリカ議会は、国民に伝える情報を制限する行動に出たと、ガーディアン紙が伝えた。この措置は、UFOを秘密にする権限を、政府に与えたことになる。

ニューヨーク・タイムズ紙は、匿名の関係者の話を引用し、国防省当局者が情報公開の動きに対して「強硬に反発している」と伝えた。今回の可決により、アメリカ政府によるUFOの情報公開の気運が高まっていたにも関わらず、それを停滞させる可能性があるとした。

同紙によると、テネシー州選出の共和党下院ティム・バーチェット議員は、今回可決された法案について「完全に騙されました」と言っている。FoxNewsによると、バーチェット議員は今年7月、「政府はUFO情報を100%隠蔽している」と断言して話題を呼んでいた。下院委員会の共同議長を務め、「隠蔽工作を暴く」と公約していたバーチェット議員は、記録の公開を国防省に義務づける法案を提出していた。しかし、彼の提案は潰されたという。

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秘密主義から、情報公開に移行しつつあったが…

NASAのビル・ネルソン長官は当時、「NASAの目的は、UAP(未確認飛行物体)の情報を噂話のような興味関心事から、科学へとシフトさせることだ」と、記者団に語っていた。

今年7月に開催された議会公聴会。そして、国防省との橋渡し役を長年務めてきたマーク・マキナニー氏を初のUAP研究局長に任命したことで、政府は長い間貫いていた秘密主義の姿勢から、UFOの情報を共有する考えに移行しつつあった。

国防総省は先月、連邦政府の現職員や元職員を対象に、1945年までさかのぼるUAPに関連する米政府の活動を共有するためのオンライン報告ツールを立ち上げ、今後公開ポータルを設けることを約束している。

また、UAPの研究を助けるために、世界中の一般市民の目撃情報を集め、送られてくるデータ分析のツールとして、人工知能を活用することに重きをおいていた。

SNS上では、「いったい何を隠したいんだろう?」「興味深い…」という声が上がってる。

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