「甘やかしすぎ…」客室乗務員が、ビジネスクラスの子どもの乗客にスプーンで食事を与える動画に批判続々

  • 文:大村朱里

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Shutterstock-Halfpoint ※写真はイメージです

シンガポール航空(SIA)の客室乗務員がビジネスクラスに座る5歳の子どもにスプーンでご飯を与えている動画が、ネットユーザーの間で激しい議論を巻き起こしている。

乗客の子どもにご飯を食べさせるスチュワーデス

この動画を投稿したのは、コンテンツクリエイターのマイケル・ラザフォードさん。彼は12月上旬にある機内でのある出来事をSNSに投稿。ロサンゼルスから東京へ向かうビジネスクラスのフライト中、「驚くべき」瞬間が起こったと語った。その動画には、スチュワーデスが子どもの座席の横にしゃがみ込み、食べ物をすくって男の子の口に運ぶ様子が映し出されている。小さな子どもはスチュワーデスには目を向けずヘッドホンをつけ、ipadから目を離さない。

ラザフォードさんは「後ろを見ると、5歳の息子が客室乗務員からスプーンでチキンを食べさせられている。乗務員全員が素晴らしく、乗客ひとりひとりへの気配りは想像を絶するものだった」とフライトアテンダントの完璧なサービスを賞賛していた。

甘やかせすぎ?この動画に賛否両論の声

この動画はラザフォードさんのインスタグラムで1820万回以上再生され、8200件以上のコメントを集めた。ユーザーの意見は大きく別れており、スチュワーデスが「大変な両親を寝かせてあげたんだ」と、この「素晴らしい」客室乗務員を賞賛する人もいれば、スチュワーデスのただでさえ多忙な仕事量にさらに拍車をかけるような、親としてあるまじき行為だと意見する人もいた。

多くのコメントは「その子どもは自分で食事ができる年齢だ」というコメントが上位を占め、「客室乗務員たちは素晴らしいが、彼の両親が食事を与えるべきだ」という意見には、多くのいいねが寄せられた。

その他にも、コメントでは「客室乗務員はベビーシッターではありません。客室乗務員はベビーシッターではない」「子どもは画面から目をそらすのも面倒くさそうだ...優しい客室乗務員だが、これは彼女の責任ではないはずだ 」といった、多くの人が子どもに食事を与えることは客室乗務員の仕事の責任を超えていると声を上げられていた。

しかし、一部のネットユーザーは、このジェスチャーをアジア文化における“愛と優しさ”を表現する方法と関連付け、子どもやその親を擁護した。「アジアの文化では、子どもが自分でできるようになっても、子どものために何かをしてあげることが大好きだ。子どもにご飯をあげるのもそのひとつです」とあるユーザーは話している。また、あるユーザーは「なぜコメントはこの子への憎しみでいっぱいなのか? 癇癪を起こさずに行儀よくしているのなら、放っておけばいい。おそらく、スプーンを与えたのは客室乗務員の判断だろう」と、この反発は不当だと感じている。

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「スチュワーデスは自らが食事を与えていた...」ラザフォードさんとSIAコメント

後日、8worldの取材にラザフォードさんはコメント。「私は子どもの前の席に座っており、スチュワーデスは "自分の意思”で行っていた 」と答えた。

「このようなポジティブなことをネガティブに変えてしまったのは残念です。客室乗務員は本当に素晴らしく、気配りが行き届いていて、まるで自分たちだけが乗客であるかのようでした」と続けている。

また、シンガポール航空はメディアからの問い合わせに対し、SIAの客室乗務員は子ども、高齢者、体の不自由な人を含むさまざまなお客様のニーズを予測し、理解するための訓練を受けていると説明。

「今回、客室乗務員がお客様のニーズを予測し、対応できたことを嬉しく思います。私たちは、あの男の子と彼の家族の幸せを祈るとともに、また近いうちに彼らをお迎えできることを楽しみにしています」とコメントしている。

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CAが子どもに食事を食べさせている、実際の様子。