ある母親の幼い子どもに向けた「最高のトラベルハック」に賛否両論…使うのはスマホとジップロック

  • 文:大村朱里

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渦中の人物、ローレン・ショーさん。 本人のTikTokより。

ある母親が、ジップロックの袋とスマートフォンがあればできる、小さな子ども向けの「最高のトラベル・ハック」を公開。しかしこの動画を巡って、オンライン上で激しい議論が巻き起こっている。

小さい子どもをもつ親への“トラベルハック”に賛否両論

アメリカ在住のローレン・ショーさんは小さな子どもを持つコンテンツ・クリエーターで、SNSに子育てのライフハックを投稿している。ショーさんは以前、TikTokに「長いドライブ旅行で平和を保つための最高のトラベルハック」と題したステップバイステップの動画を投稿。必要なのはジップロックの袋とスマホだけでできるというその方法は、子どもが座る車の後部座席の前部のヘッドレストを外し、通常ヘッドピースを挿入する2つの金属製開口部にジップロック袋をかぶせる。そして、ヘッドピースのくぼみに当たる袋に穴を開け、ヘッドレストでビニール袋を固定し、スマートフォンを落ちないようにするものだった。

このライフハックを使うことで、子ども達が動画を観る際に、手で持つ必要がなく、落とす心配もないという。“初めての母親として知っておきたかったこと”と書かれたこの動画には、これまでに5,000万回以上再生され大きく拡散されたが、中にはスクリーンタイムに関しての批判的な意見が上がっている。子どもを持つ親たちの意見はそれぞれで「スクリーンに釘付けさせるやつね」というコメントや、「私が小さい頃は窓の外を眺めるだけで楽しかったのに...」と自分の子ども時代と比べる意見。あるユーザーは車内でスマホを見つめる代わりに「本を読ませてみては?」とアドバイスを与えた。

他にも「車内で家族でしりとりなどのゲームをする日々を取り戻しましょう。画面を凝視しないように。あるいは、ただ窓の外の世界を眺めるだけでいい......彼らに何か考えさせた方がいいよ」、「子どもたちを退屈させることが大切。想像力を働かせ、その場にいることを学ぶことで、観察力と自己認識力を高めるのです」という声も見られた。

しかし、一部の親たちはローレンのアイデアのファンであり、子どものころのドライブ旅行に例えている。「昔、普通に車内で映画も観たし、なにがいけないのか分からない」「私が子どもの頃、車の中で映画を見て、本当に幸せだった......みんな、自分の子どもには幸せになってほしいと思わないの?」という声が集まった。また、「自分が優れていると思っている人たちがコメントしているだけだ」「スマホでこの動画を見つけたはずなのに、スマホのことで怒っている人たちばかり」など批判的なユーザーに対して意見するコメントも見られ、ショーさんの動画のコメント欄では激しい論争が繰り広げられていた。

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スマホが与える子ども達への影響

米国児童青少年精神医学アカデミー 「AACAP」によると、8歳から12歳の子どもたちは1日4時間から6時間、10代の子どもたちは9時間もスクリーンを使っているという。同団体は、スクリーン利用時間が長すぎると、睡眠障害、読書量の減少、屋外活動や運動不足、気分の問題、自己イメージの低下、家族や友人と過ごす時間の減少につながると警告している

AACAPは18カ月から24カ月の子どもには、教育番組だけを保護者と一緒に見ることを勧めており、2歳から5歳の子どもには、教育番組以外のスクリーンタイムを、平日は1時間程度、週末は3時間程度に制限。6歳以上については、健康的な習慣を奨励し、スクリーンを含む活動を制限することを勧めている。スマホが日常に必要不可欠となっている現代。親によってスマホに対しての考え方も様々であり、特に小さな子どもを持つ親は一度様々なスマホに関する知識や意見を耳に入れ、スマホと育児との関わり方を一度振り返る必要がありそうだ。

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@jeffandlaurenshow Best travel #hack to keep the peace on a long road trip. #toddlermom #toddlerlife #momhack #momhacks #lifehacks #momsover30 ♬ original sound - jeffandlaurenshow
実際のライフハックを紹介した動画。