「音に敏感で鳴き声がうるさい…」ブラジルの刑務所が、脱走を防ぐ見張り役に“ガチョウ部隊”を投入

  • 文:山川真智子
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Karen Kaspar-Shutterstock ※画像はイメージです

ブラジルでは、受刑者の脱走を防ぐためガチョウがパトロールを担当する刑務所がある。音に敏感で鳴き声がうるさいことから、番犬に代わって投入されており、テクノロジーを使った監視システムに負けない優秀さを発揮している。

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アナログだけど頼れる! 音に敏感で鳴き声も大きい 

現代の刑務所は、最先端の探知システムが導入されており、受刑者が脱走することは非常に困難だ。しかし技術が進歩したとはいえ、高度なシステムをバックアップするアナログな監視も必要だとされる。

通常その役目は人間や犬が担っているが、世界の不思議ニュースを紹介するサイト、オディティ・セントラルによれば、ブラジルのいくつかの刑務所では、少なくとも12年前からガチョウが番犬に代わって警備を行っているという。

実はガチョウは非常に優れた聴覚を持っており、音に敏感に反応。聞き慣れない物音を察知すると大音量で鳴き、警官や看守に注意を促すのだという。

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群れでパトロール 世話しやすく低コスト

ブラジルのサンタ・カタリーナ州にある刑務所でも、監視にガチョウを採用している。ロイターによれば、ガチョウたちが働くのは刑務所のフェンスと外壁の間にある緑地。合間に敷地内の池で休憩しながら、小さな群れになって受刑者が脱走しないようパトロールに励んでいるという。

ガチョウ部隊を率いるのは、隊長のピウピウ。仲間を引き連れて、敷地内を巡回しており、警官に「ピウピウ」と名前を呼ばれると、独特の鳴き声をあげるという。

刑務所長によれば、モニターなどによる電子的な監視、対面による監視、そしてガチョウによる監視がこの刑務所では行われている。ガチョウは警戒心が非常に強いため、犬以上に優れた監視役だということだ。

ガチョウ利用のメリットだが、世話は犬を育てるより楽で、費用も少なくてすむという。さらに、昼でも静かなこの刑務所の夜はさらに静かだといい、このような場所は、ガチョウによる警備に好都合だということだ。

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中国では国境警備も 有能さを証明

オディティ・セントラルによれば、ガチョウの警備は2年前から中国の国境警備隊にも採用されているという。物音を探知したり、音源まで人間の隊員を誘導したりすることにおいては、犬より優れているそうだ。コロナ禍では不法移民の流入を水際で防ぐことに役立ったということで、ガチョウの有能さが証明されている。

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パトロールするガチョウ部隊の動画。確かに鳴き声がすごい!

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パトロールするガチョウ部隊の様子。

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リーダーのピウピウ。人にも良く慣れている。

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ニュース映像。

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