
アメリカの片田舎にあるスキー・リゾートで、高さ約6メートルの巨大マリア像を設置する計画が進んでいる。この地域はもともとネイティブ・アメリカンの文化と深い関係があり、自然美にも定評があることから、住民を中心に反対運動が展開されている。
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オーナーの一存で決定! ソーシャルメディアで計画発表
巨大マリア像の設置計画を発表したのは、カリフォルニア州のマウント・シャスタ・スキーパークだ。Facebook上での発表によれば、計画はこのスキー場のオーナーと、ビジネス・パートナーでもあった亡き夫の目標だったという。像の設置は、オーナーの夫への約束と献身を象徴するものだとし、特定の宗教に焦点を当てるものではないと説明している。
ロサンゼルス・タイムズ紙によれば、像は標高約2000メートルのダグラス・ビュートと呼ばれる丘の頂上に建てられ、スロープを見下ろす形になるという。今シーズンは土台となる部分を見ることができ、プロジェクトは来夏までに完了する予定だ。
反対の声続々 嘆願活動も開始
計画を知った多くの人々が驚きと不満をあらわにしている。フォックス・ニュースによれば、「スキー・リゾートに聖母マリアの意味が分からない」「このスキー場と山でスキー人生を過ごしているものとして、今回の選択にはひどく失望した」などのコメントがあった。
実はこのスキー・リゾートがある地域は、豊かなネイティブ・アメリカンの歴史と文化が育まれてきた場所でもあり、こうした背景を軽視しているという怒りの声もたくさん出ている。「美しく、力強く、そしてスピリチュアルな場所への冒涜だ」「むしろ宗教によって殺されたネイティブ・アメリカンへの敬意を示す像を建てるべき」など、極めて辛辣な怒りの声も出ている。
さらに、像の設置がキリスト教徒ではない「多様なコミュニティ」のメンバーを孤立させる恐れもあるという懸念から、計画の撤回を求め、オンラインでの嘆願活動も始まった。嘆願の発信者となった地元住民は、銅像を建てる資金があるのなら、ホームレスの救済など地元のために使うべきだと主張しており、12月19日の時点で、2200を超える賛同が集まっている。
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スキー場は私有地 計画撤回は困難
フォックス・ニュースによれば、ソーシャルメディアの投稿の中には、「この世界、特にこの州にはもっと宗教が必要」「信念を行使することを称えたい」など、銅像設置を支持する声もあった。
マウント・シャスタ・スキーパークは、フォックス・ニュースに対し、マリア像プロジェクトに対する批判に失望しつつも、多くの人々からの支持に感謝しているとコメント。計画撤回はしないという考えを示した。
ロサンゼルス・タイムズ紙によれば、地元の行政担当者は、スキーパークは私有地であり、民間ビジネスだと説明。オーナー側には像設置を行う当然の権利があるとし、スキーパークが地元の主要な雇用者であることも付け加えた。結局反対する人は、スキー場に行かないことで、態度を示すことになるだろうと述べている。
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California ski resort’s plans for 20-foot Virgin Mary statue on slope has locals snowblind with rage: ‘Keep religion out of skiing’ https://t.co/YdQzpEdOzE pic.twitter.com/NWVDLBMK0f
— New York Post (@nypost) December 18, 2023
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インスタグラムに発表されたマリア像設置のお知らせ。
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Controversy and petition sparked by Mt. Shasta Ski Park's 20-foot Virgin Mary statue https://t.co/JUqzrBrtQ9
— wake1up (@n2oneness) December 17, 2023
マリア像の画像。
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Mt. Shasta is seen by some as a spiritual place. See praying circles below. pic.twitter.com/XeOfOePKoi
— edgiesversion 24ElectionMatters (@edgiesversion) December 18, 2023
非常にスピリチュアルな場所だとするXの投稿。
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上空からのスキー場の様子。