真冬のベネチアの運河で自撮りに夢中な観光客が転覆する様子が話題に…! その迷惑行為に「自業自得だ」と批判殺到

  • 文:大村朱里

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ShutterStock-AlexAnton ※写真はイメージです

イタリア・ベネチアの運河で、観光客のグループが「自撮りをやめて座るように」との指示に従わなかったため、乗っていたゴンドラが転覆。観光客は冷たい運河に転落し、その様子を捉えた動画がSNSで大きな話題を呼んでいる。

冷たい運河に転落し、現場は大混乱に

地元紙の報道によると、中国からの観光客グループ5人組は12月上旬、運河をゴンドラで水上散歩する人気ツアーに参加。その際にゴンドラの中で移動を繰り返し、ラグーンの街の名所を背景に自撮りをしていたという。船上のバランスをとる必要があるため、ゴンドラの船頭は乗客たちに座るようにお願いしたが、彼らは指示に無反応。それだけではなく、彼らは立ち上がって写真を撮り続けたため、ゴンドラが低い橋の下を通過しようとした際にボートがひっくり返ったと伝えられている。


投稿された動画には、ひっくり返ったゴンドラに観光客と見られる男女がしがみついている。「OMG!」と嘆く女性や中国語やイタリア語の会話が入り混じるカオスな映像だ。

ベネチアの若者たちが立ち上げた、観光客の災難を記録するアカウント

「Venezia Non è Disneyland(ベネチアはディズニーランドではない)」のインスタグラムに投稿された動画によると、一行は無事救助され、近くのフェニーチェ劇場で“おもてなし”を受けたという。またCNNによると、負傷者はいないが、少なくとも1人が携帯電話を紛失したといい、布張りの椅子や毛布が運河に放り込まれたと報道している。

この動画はSNSで大きく拡散され「自業自得じゃないのか?」「なんで指示に従わなかったのか」「言葉の壁があったのかな?」などと様々な意見が見られた。

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ベネチアでは、ゴンドラに関する新ルールが

2020年、ベネチアゴンドラ協会は「観光客の体重増加」を理由に船の定員を減らしている。ベネチアの運河を巡る定番コースであるゴンドラ・ダ・ノーロの定員は6人から5人に、大運河を横断するためのゴンドラ・ダ・パラーダは14人から12人に減らされた。協会のアンドレア・バルビ会長は当時、ガーディアン紙に「10年前、15年前と比べると、観光客の体重が少し増えているのは事実だ」と語っている。また、ベネチアには免許をもつ船頭が430人いるというが、船頭の仕事は親から子へ受け継がれることが多く、女性の船頭で免許を持つ人は現在1人しかいないという。

今回の事故は最大定員の5名が乗用していたため、バランスを崩しやすい状況だったことが伺える。たとえ楽しい海外旅行で舞い上がってしまっても、最後に苦い思い出になってしまったら意味がない。旅行をする際はその土地のルールに従い、秩序を守った観光を心がけていきたい。

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転覆したゴンドラの映像。あまりのパニックに悲鳴が飛び交う。

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転覆したゴンドラを上から見た様子。

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この一連の顛末はInstagramでも話題に。