アブラぎった肌こそ逆転の発想で効く、オイルの魅力とは?【グルーミング研究所】

  • 文:伊藤 聡
  • 写真:丸益功紀(BOIL)
  • イラスト:武田侑大
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THREE(スリー)
バランシングオーバーナイトオイルセラム SQ

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10月発売の新製品。ターンオーバーと睡眠中の肌に着目したブレンド精油を使用する。リラックス感をもたらす香りも特徴。28㎖ ¥11,000/スリー(スリー カスタマーサポート) TEL: 0120-898-003

Check Points

☑キメとハリ
☑ベタつかない
☑寝る前

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多くの男性が悩んでいる脂性肌。「アブラぎった肌」はイメージが悪く、脱却したいと考えている男性は多いだろう。そのせいか、ベタつくスキンケア製品を苦手とする人が一定数おり、全体としてさっぱりした肌触りのものが好まれる傾向にある。「テカリを抑えるために、なるべくベタつかない製品を使う」という気持ちはわかるが、実際にはそれだけでは脱却できない可能性が高い。

なぜ肌がアブラぎってしまうのか? その大きな理由のひとつは「脂分」が足りていないこと。肌には一定の脂分が必要で、足りないと身体が判断すると、内側から分泌して補給しようとする。これが脂性肌の正体である。一定の脂分をあらかじめ補給しておけば、不要な分泌が抑えられるし、肌が安定する。そう、アブラぎった肌にならないためにこそ、脂分を摂るという作戦が必要なのだ。まるで未解決事件の犯人をつかまえるために、獄中の犯罪者からアドバイスをもらう『羊たちの沈黙』のような展開が、脂性肌の解決方法なのである。そんな逆転の発想でスキンケア製品を選べば、きっと脂性の肌から脱却できるはずだ。

脂性肌解消のために必要なアイテムで、最も一般的なのは乳液だが、オイルはさらに強力だ。冒頭で触れた傾向もあって使用する男性が少ないオイルだが、個人的には大好きで、お薦めしたいアイテムである。驚くほど肌がしっとりとするし、ツヤもよくなる。さらには脂性肌にも効果があると、いいことづくし。

スリーの「バランシングオーバーナイトオイルセラムSQ」は、精油を使用した夜用美容液だ。寝る前に塗れば、すっと肌に馴染んでスムーズな肌質へ変化する。香りよし、テクスチャーよし。使用後はぐっと潤いを増し、肌が整う基礎力を支えてくれるアイテムだ。「ベタつきそう」という不安な気持ちはわかるが、思い切ってオイルを取り入れてみると、肌を優しく守ってくれる効果に納得するはずだ。

伊藤 聡

海外文学&映画ライター。40歳を過ぎてから美容に目覚める。著書『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました』(平凡社)が発売中。

※この記事はPen 2024年1月号より再編集した記事です。