電気自動車を走らせながら無線充電できる、“未来の道路”が米デトロイトに登場

  • 文:安部かすみ

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かつては自動車工場の街として栄え、モーター都市として知られる米ミシガン州デトロイト市。同市でこのたび、全米で初めてエレクトリック・アベニュー(電気自動車の自動充電通り)がお披露目された。

同市のミシガンセントラル駅近くの該当地区(400mの車道)では、アスファルト塗装された公道を電気自動車(EV)を走行もしくは停車させたまま、EVバッテリーをワイヤレスで充電できるようになった。NBCニュースが報じた。

その充電インフラが整った「車道」は一見何の変哲もない普通の道路だが、実は道路の中(下)に誘導充電コイルが埋め込まれ、地上にはところどころに制御ユニットが置かれている。

磁気を利用して、電気自動車下部に搭載された専用レシーバー(受信機)に電力を伝達させ、充電する仕組みだ。走りながらでも充電できるため、わざわざ充電のためにEV充電スタンドに立ち寄る手間を省け、効率的だ。トラックやバスなどの大型車両も、燃料切れの心配は無用になる

デトロイトの地元テレビ局の取材によると、積雪による影響もまったく受けないものだという。

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この技術はまず、バスなど公共交通機関の車両用のようだ。エネルギー源を車両から取り除くことで公共交通機関のコスト削減などの効果が期待されるという。

EV用路面充電システムは世界中に拡大している。本国イスラエル、そして今回のアメリカはもとより、既にスウェーデンやノルウェーなどの北欧、さらにフランス、ドイツ、イタリア、チリなどでも導入の動きが見られる。

EV用路面充電システムというこの技術を開発したのは、イスラエルの新興企業、エレクトレオン(ElectReon)社だ。

このインフラが今後さらに拡大すれば、いずれ充電ステーションも不要となり、充電池の小型化も期待される。

一方、アメリカでは現状、電気自動車がそれほど売れていない。進んでいない充電インフラの設置状況、充電速度や走行距離、コストなどが、この国で電気自動車の購入のハードルの一部になっていると言われている。このように電気自動車の需要が冷え込む中、新たな技術を搭載した「未来の道路」は、デトロイトが見本となって全米に広がっていくのだろうか?

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ELECTREON Dynamic wireless charging-YouTube

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2020年にイスラエルのテルアビブ市で行われた専用道路工事の様子。700mだけだがたった「一夜」で終了した。