「奇跡のバランス!」座礁したまま幸運にも宙に直立した船が話題に

  • 文:青葉やまと
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PANG WRP-Shutterstock ※画像はイメージです

ノルウェー北部の離島・ボルガ島付近の海域で、不幸中の幸いというべき座礁事故が発生した。

航行していた船が座礁したものの、潮が引いたあとも奇跡的にバランスを保持。尖ったキール(船底中央部分)だけを接地した状態で直立姿勢を保ち、満潮を待って無事に自力で航行を再開した。

現地公共放送のノルウェー放送協会(NRK)が公開した現場写真では、ほとんど幅のないキールだけを拠り所に立ち、宙に浮いたような船体が目を引く。駆けつけた救助チームは、乗り上げた船員たちは非常に幸運だったと語っている。

北に向かっていた漁船が「まずい事態」に

NRKによると、座礁したのはマリタ・ヘレン号だ。オープンソースの船舶情報サイト「マリントラフィック」によるとノルウェー船籍の漁船で、全長13m、全幅4mとなっている。座礁当時、複数の作業員が乗り込んでいた。

クルト・ユスタッド船長はNRKに対し、「私たちは北に向かっていたのですが、少しするとまずい事態になりました」と座礁の経緯を語る。船は救助を要請し、これを受けて救助艇のオッド・フェローIII号が急行した。

現場に到着したオッド・フェローIII号の救助チームは、予想外の光景に目を疑う。一面の闇のなか、サーチライトに照らされ浮かび上がったマリタ・ヘレン号は、海面に突き出したわずかな岩礁のうえに、キールだけを接地した状態で直立していたのだ。

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救助チーム「あれほどの幸運は考えられない」

座礁後、潮が引いたことで船体が完全に露出したものとみられる。だが、左右の重量バランスが取れていたことで横転を免れた。キールは幅20cmしかなく、全幅4mのマリタ・ヘレン号に対して非常に細い。

救助に駆けつけたオッド・フェローIII号のヨスタイン・ヨハンセン船長は、NRKの取材に対し、「事故が起きてしまったとき、あれほどの幸運に恵まれることはまず考えられない。私自身、何度か座礁に巻き込まれた経験がありますが、こんなことは初めてです」と驚きをあらわにしている。

本来は救助活動を行いたいところだが、うかつに近づくとバランスが崩れるおそれがあり、活動は難しかったようだ。救助チームに見守られながらマリタ・ヘレン号は絶妙なバランスを維持し続けた。

座礁から6〜7時間後の満潮を待って、水深の深い海域まで救助艇が曳航。その後、自力で航行を再開し付近に無事に接岸した。

乗組員は全員無事だった。事故後にノルウェー救助協会のダイバーが船を詳しく調査したが、船体に大きなダメージは確認されなかったという。

ネットは船内に思いを馳せる

座礁事故のなか、船体が奇跡的にバランスを保ったのは不幸中の幸いだった。大手インターネット・コミュニティのレディットは、このめずらしい事態をめぐり賑わっている。乗組員が一丸となってバランスの維持に神経を尖らせたのではないかと、船内の様子を想像するコメントが多く寄せられた。

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「満潮まできっと息もできない」

「船内のスタッフは、しばらくマネキン・チャレンジのような状態だったのでは」(全員で静止ポーズを保つ遊び。2016年頃にネット動画としてアメリカで流行した。)風が吹いたらどうなっちゃうの?」「みんなでそっちに寄りかかるんだ」「名案!」

船員たちは不安な時を過ごしたに違いない。しかし、凍えるノルウェーの海に放り出されなかったことは、きっとせめてもの救いになったことだろう。

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A fishing boat in Norway managed to beach itself while perfectly balanced on its keel
byu/Godlia ininterestingasfuck