顔も仕草も声も同じ...大物セレブたちがAIキャラに!? Metaの新チャットボットとは

  • 文:大村朱里
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パリスヒルトンもお気に入り(?)のamber(パリスヒルトンのAI)。本人のInstagramより。

 先日、インスタグラムをスクロールしていたら海外スーパーセレブ、ケンダル・ジェンナーの新しいアカウントが突如現れた。投稿された1本の動画には、ケンダルがファンに向けてメッセージを送っていたが、彼女は自分のことを「ビリー」と名乗る。実はそのアカウント、Meta社が新しく導入したAIキャラクターの一人だったのだーー。

様々な個性の著名人を起用したAIキャラクターも

Meta社は9月27日、様々な著名人を起用した、ユニークな趣味と個性を持つAIアシスタントチャットボットを発表した。このAIボットはFacebookやMessenger、Instagram、WhatsAppなどを通じて、ユーザーが特定のキャラクターと料理やワークアウト、旅行、人生相談などの多様なトピックについてチャットすることができる。

10月6日にインスタグラムに現れたのは「ビリー」と名乗るケンダルのAIキャラクター。このボットは、顔立ちや仕草、あのカーダシアン風の声のトーンまで全く同じ。まるで、彼女をコピー&ペーストしたようだ。

「こんにちは!私はビリーです。自己紹介するね」そして「気軽にチャットやアドバイスが欲しい時にメッセージしてください。私はいつでも話す準備ができています」と続け、投げキスを送った。同アカウントのbioには「メタが管理するAI」であることを明記しているしているが、当然のことながらファンたちは実在するケンダルだと勘違いし、大混乱。

The Independentによると、このプロジェクトにはケンダル・ジェンナー以外にも、トム・ブレイディやパリス・ヒルトン、大坂なおみなどの大物セレブたちやMrBeast、TikTokスターのチャーリー・ダミリオといったコンテンツクリエイターも参加しているという。

Meta社CEOのマーク・ザッカーバーグは、第一弾として計28人のAIアシスタントを作成したと発表。各AIキャラクターには独自の個性や趣味がある。ユーザーがそれぞれのキャラクターからパーソナライズされたアドバイスを受けられることで、よりインタラクティブで楽しく使用できるのだ。

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発表されたリストによると、ケンダルのAIである「ビリー」は、ユーザーにアドバイスを与える“お姉さん”的な存在。トム・ブレイディのAI「ブル」は、スポーツについて会話ができる。AIアシスタント、人気シェフ、ロイ・チョイの「Max」は、ユーザーがレシピを考えるシェフのような役割をするという。その他にもAIチャットロボットには様々なラインアップが揃っている。

    • チャーリー・ダメリオ(ココ):ダンス愛好家
    • クリス・ポール(ペリー):あなたのストロークを完璧にするプロゴルファー
    • ドウェイン・ウェイド(ビクター):最高の自分になるよう元気づけるトライアスリート
    • イジー・アデサンヤ(ルイス):MMA選手
    • LaurDIY(ディラン) : DIY とクラフトの専門家
    • MrBeast(ザック):あなたをからかうお兄ちゃんのような存在 
    • 大坂なおみ(タミカ):アニメが大好き
    • パリス・ヒルトン(アンバー):犯人捜査のパートナー刑事
    • レイヴン・ロス(アンジー):フィットネスと瞑想のバランスをとるワークアウトクイーン
    • サム・カー(サリー):深呼吸を教えてくれる自由奔放な友人
    • スヌープ・ドッグ:ダンジョン マスター

しかし、ソーシャルメディア上では、このプログラムに、賛否両論が。「著名人の顔を使用しているから身近に感じれる」という声や「これは正直言って怖い 」「ブラックミラーの世界が現実に...近未来を舞台にしたドラマ」「とても混乱している」という意見も見られた。

ここ数年AIの進化によって、私たちの暮らしはより快適なものへと変化を遂げているが、ディープフェイクなどによる問題も多々見られている。「AIがどこまで進化するのか…」と期待する一方で恐怖すら感じられる目覚ましい技術の進歩。近い未来、AIの急速な発展により、バーチャル上でインタラクティブな体験をすることがより身近になっていくことだろう。現実世界とバーチャルの境界線が薄れていく中で、これをどのように使用し、楽しむかどうかは私たち次第である。

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ビリー(ケンダルジェナーのAI)。

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amber(パリスヒルトンのAI)。