夜の街撮り歩き、俳優でもモデルでもない21歳と

「テストシューティング」と呼ばれる撮影用語があります。
本番の準備撮り、モデル採用を決める仮撮り、機材の試し撮り、スキルアップの実習といった、なんらかのお試し撮影です。
ここにお届けする人物撮影も、テストシューティングに近いもの。
わたしと被写体の、二人だけの街歩き。

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写真の人物は、ファッションを仕事にするカイトさん。
俳優でもモデルでもインフルエンサーでもなく、ときどきDJ。
この先どんな道に進むか未知数の21歳。
某取材企画の撮影です。
カイトを知ったのも企画案もわたしですから、仕事といえど軽い気分。
この夜に失敗しても（雨が降りそうな天気）リスケできるし、と。
使う写真も1、2カットで十分だったのですが、いろいろトライすることに。

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撮影テーマは、「ポートレート以上、ファッション未満」。
どちらでも成立する中間点を目標にしました。
夜なのに黒服にした理由は、身体を背景になじませ顔を目立たせるため。
服はすべてカイトの私物。
アクネステュディオスの宣伝ではありません w

ポートレート撮影でいつも気になるのが服装です。
髪型やメークはわりとどうでもよく（その人らしさでOK）。
服は色が重要で、服の色で撮る場所や照明を決めることが多いです。
一方でシルエットは、手を振ったり歩いたりといった動きのバランスに大きく関わります。
撮りはじめてから大切な要素になります。

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カメラ機材は、SONY α7R V＋チープレンズ。
50万円するカメラを使う最大の理由は、覗くファインダー液晶の表示が大きいから。
撮りやすいです。
ボディの小さなα7cに大きなファインダーがついたら最強なのにって思います。
（小学生のときから小さなカメラが好き）。

お気に入りの低性能レンズと、ストロボ照明との相性をチェックしたくて今回試しました。
イケメンはどう撮ってもイケメンですから w、テストシューティングを兼ねても仕事に支障なしとの考えで。

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青い光の顔アップ写真は、強い風で揺れた髪型がリーゼント風でロック音楽のテイスト。
好きな一枚です。
近ごろエディ・スリマン時代のサンローランとリンクするアークティック・モンキーズを再び聴き返してます。
正統派なロックが新鮮に思えて。

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カイト in カフェ

別日の昼間にカフェで撮ったカイト。
これはもう、完全に狙ってます！
「女のコをドキドキさせよう」という。
彼に出てもらった企画の主なターゲット層が若い男女なので。
撮りながら「韓流かよっ」と頭のなかでつぶやいてましたね w
これでノーメークですから。

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カイトはサッカー好きで体育会気質があるのか、挨拶の仕方などがオトコっぽい感じ。
学生時代にモデル経験もあるようで、感覚をシェアするセッションがしやすい人でした。

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機材は、SONY α7C＋チープレンズ（夜とは別の製品）。
レタッチを入れてるものの、ニキビ消しやシャドウ補正くらい。
ローファイ写真は、一般の仕事で採用されにくいものです。
今回掲載した写真も小さなスマホ表示でなく、引き伸ばせばシャープな写りでないのがわかります。
でも明瞭でないからこそ見ようとする意識が働く心理現象もありますし。
レトロなフィルム再現ではないデジタル流ローファイを探っている最中です。

All photos&text©KAZUSHI

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