
アメリカでは、たいていの球場で犬を連れての入場が許可されており、多くのファンが愛犬との野球観戦を楽しんでいる。近年球場では、試合の中断時間に愛犬を高く掲げる観客たちの様子を大型スクリーンに映し出す、「シンバ・カム」が人気だ。1990年代に公開されたディズニー映画『ライオン・キング』の一場面を真似たもので、飼い主以外も巻き込んだ、お楽しみイベントとなっている。
スクリーンは犬たちでいっぱい!ソーシャルメディアでも注目
ペットの情報サイト、パレード・ペッツによれば、シンバ・カム自体は決して珍しいものではなく、ここ数年は散発的にいくつかの球場で行われているという。特に、コロナのパンデミック後のトレンドになっているということだ。
最近では、9月12日にニューヨーク州のシティ・フィールド行われた、ニューヨーク・メッツの試合でのシンバ・カムの様子がソーシャルメディアで拡散。大手スポーツ・メディアが再投稿したこともあり、大きな話題となった。
内容そのものはいたってシンプル。まずスタンドには、ライオン・キングの『サークル・オブ・ライフ』のおなじみのオープニングの音が流れる。すると、映画の中でヒヒのラフィキが小さなシンバを抱き上げ、王国の動物たちに披露したのと同じように、観客たちがそれぞれの愛犬を高く掲げる。それを近くのカメラマンが撮影。球場の巨大画面に飼い主と愛犬の顔が次々と映し出されるという具合だ。
誰も不快にさせない みんなで楽しめるのがポイント!
シンバ・カムの人気は、見せる側も見る側も楽しめるところにあるという。愛犬を大画面に映されたファンは「うちの子見てくれ!最高だろう」と言わんばかりのどや顔を披露。一方見る人々は、スクリーン上の様々なかわいい犬の様子を見て笑顔になることができる。イニングの間などに行われるため、試合を邪魔することもない。
スポーツイベントの合間に行われる娯楽としては、会場でカップルのキスを映し出す『キスカム』というお遊びが流行した。しかしパレード・ペッツは、キスを不快に感じる人も多いとし、かわいい犬を見ることができるシンバ・カムのほうがずっと良いと述べている。
単なるペット自慢はNG!愛犬と他の観客への配慮が大事
人気のシンバ・カムだが、ペットのためのサイト、デイリー・ポウズによれば、球場に犬を連れて行く際には気を付けることもあるという。
まず、人や他の犬に慣れていない犬、高く掲げられることを嫌がる犬を無理やり球場に連れて行くのは勧められない。会場によっては、花火などのイベントが行われるところもあるので、怖がる犬には大惨事になる可能性もあるということだ。
さらに、他の観客の迷惑にならないよう、ハーネス装着や犬を確実に近くに引き戻せるリードなどの準備が望ましい。大切なのは人も犬も楽しめるということで、くれぐれもペット自慢が来場の目的ではないことを心得ておくべきということだ。
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They are doing the first “Simba Cam” tonight at Citi Field with dogs 🐶 pic.twitter.com/Iq2IWcHMvV
— Jake Brown (@JakeBrownRadio) September 12, 2023
メッツのシンバ・カム。最初にニューヨーク・ポスト・スポーツのポッドキャストのプロデューサーが投稿。
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コロラド・ロッキーズのシンバ・カム。
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大型犬もシンバイング!
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If you have a small dog and you don’t occasionally lift him up like Simba while singing Circle of Life, then we are in fact from different planets. pic.twitter.com/3VXQJtf8Wy
— Stacy Slayden (@StacySlayden) May 29, 2019
映画『ライオン・キング』の該当シーン。